安冨 歩さんの本

同じ著者の本を立て続けに読むことは、あまりないのですが
この方の本、続けて読んでしまいました。

ありのままの私

最初は単純に女装の東大教授って、どういう人なのだろう?という興味から。
この本では彼(彼女?)がなぜ女装をするようになったのか?
別にゲイではなく、パートナーは女性ですし、ただ女性の恰好をして美しくした方が
自分らしく、安心していられるそうです。
ふむふむ、そういうのもあるんですね。
一言でゲイとかストレートとかでは片付けられない複雑な時代なんですねぇ。
でもそばにこういう方がいたら、普通にお友達になれそう。


生きる技法

で、次に読んだのがこちら。
「自立とは多くの人に依存すること」という衝撃的な、と言うか今までの
常識ではとても理解出来ないことなのですが、でも読んでいくうちに、そうかも
しれない、と思えるようになりました。
彼の中にある母親との関係がすべての核なんですねぇ。

親は子供の為、子供の将来の為、と言っていろいろな事に口を出しますが、
それは「親にとって都合の良い押しつけではないのか?」
ちょっとドキッとしました。多かれ少なかれ、親は子供に勉強させる時、良い学校(と
いう価値観が分かりませんが)に入れようとする時、それが子供の為と考えますが
本当にそうなのかどうか・・・?
親は無意識のうちに自分のエゴで子供を支配しようとしているのではないのか?
子供に対するそういう感情を「愛情」と勘違いしている親は結構多いのではないで
しょうか。
自分の親のこと、そして親としての自分を顧みて、ちょっと古い傷が疼くような感じ
を覚えました。


他にも「自愛」と「自己愛」の違い、嫌われるのを恐れると誰にも愛されない、
とか、貨幣について、自由について、等々 興味深い作者ならではの解釈が
綴られています。


老子の教え

そして、最後がこちら。
難解な「老子」を安冨さんがどう解釈するのか?
とても読みやすかったです。だからと言って理解出来たかと言うと、読んだ時は
分かったような気になるのですが、手のひらにすくった砂が指の間からいつの間にか
サラサラと・・・みたいな(笑)
それでも好きだな〜。
「確かなものにすがろうとするから不安になる。あやうさを生きよ」
グッときますよね、この言葉。

私、これを読むまで老子って「老子」っていう人が書いたんだと思ってました。
「二千数百年前に書かれたこの本はそもそも抽象的な議論に終始していることの
反映」「この本が1人の思想家によって書かれたと考えて、その人を仮に
老子、と呼んでいるに過ぎない」と序文に書かれていました。
二千数百年前にこの本が書かれたこと(しかも作者も分からない)ビックリですね。
安冨さんは5年かけてこの本の訳に取り組んだそうです。

安冨さんの著書はたくさんあるのですが、たまたま選んだこの3冊、彼の過去、
現在、未来に触れたようなチョイスでした。
どれか興味を持たれた本はありましたか?


コメント

非公開コメント

No title

どれも面白そうです♪
去年だか一昨年だかから「自立」って本当はどういう状態のことを言うんだろう?って静かにキモチの中で思ってました。

>「確かなものにすがろうとするから不安になる。あやうさを生きよ」

あううぅ・・・!ガッツーーーン!! (^ ^;;
いまの私にまさにぐっさりきた言葉です。
でも不思議。同時に励まされてもいます。

tomokoさま

「老子」クーッとなる言葉、満載です(笑)
何度も何度も読み返す本になりそうです。
「生きる技法」もね、エリートと言われる人達の抑圧された感情とか、ああなる程そうかもね。って感じでした。面白いのは安冨さんはそういう人達に馬に乗ることを奨めていることです。人間らしさが取り戻せるのだとか。

No title

面白そうですね。
老子 は 手をつけていないから 読んでみたいなあとおもいました。

自立って 深いところの孤独を知っていることなんじゃないかなあって感じています。
そこで孤立しない のは 難しいなあと思う昨今なのでありました。

風子さま

「自立とは深いところの孤独を知る」
んー、深いですね〜。
「そこで孤立しないのは、難しい」
おっしゃる通りです。
1人で生きていけたら楽だけど、やっぱり人間て1人では生きられない動物ですよね、だから面倒くさい、でもそこが面白くもある。
矛盾した生き物であります。

No title

TV番組で彼のインタビューをやってまして
とても興味深かったのを覚えてます。
そうですね「あなたの為」ってのは
結局は「自分の為」になってんですよね。

香子さま

そうそう、もっと若い時に気付けば良かった・・・と。夫に対してもそういうところ、多分にあります。結局お母さんとか奥さんという立場は家族を支配しやすい立場ですよね。
確かに家族の為、と頑張っているのですがいつのまにかそれが自分の都合になっていたりして・・・家族関係って一番難しいな〜と思います。

No title

こんにちは!
私の会社員時代、女性なのですが服装や
立ち居振る舞いが男性チックのスタッフさん
がいて
一人称が「ぼく」、決してスカートをはかない、ショートカットでノーメークだったのですが、とても自然体で、周囲も「この人はこうでなければこの人らしくない」と思うまでに溶け込んでいました。名前も「はなこさん(仮名)」を「はなおさん」というように呼ばれていました。
組織の風土も、割とフリーダムで風通し良かったんですが、今思えば(立ち入ったセクシュアリティの話をしたことはありませんでしたが)彼女なりに葛藤とかあったのかなあ…今になりちょっと考えちゃったりします。

絵美さま

「老子」にも書いてありました。
『この世界にはもともと、善悪も優劣もない。
優れた人や、劣った人がいるのではない。
誰かを「優れている」と思うから、誰かが「劣っている」ということになり、それはあなた自身が、作り出しているに過ぎない。』
差別って比べるところから始まるのですね。
女らしい男、男らしい女、頭は女だけど身体は男、またはその逆、いろんな人がいるのが人間というものなんだろうな〜と思います。