「今」

「アリスのままで」という映画を観ました。
50歳で若年性アルツハイマーになった女性の話です。
主演はジュリアン・ムーア。
人ごととは思えないお話でした。

夫と二人の娘がいて、言語学者として大学で教鞭をとり、家庭も仕事も
充実した人生を送っていたのに・・・ある日訪れる突然の不条理。

「忘れる」ということは、大変な恐怖です。
今まで生きてきた歴史。楽しいことも、悲しいことも、自分の人生を
彩ってきたすべて、娘の名前さえも忘れてゆくなんて、耐えられません。

でも、考えてみたら普通の老化も少しづつ、少しづつ脳細胞は衰えていって
日々「忘れる」という方向にいっているのだなぁ・・・。

そうすると人間って何なんでしょうねぇ?

先はどうなるか分からないから、先のことは考えても仕方ないって
ことでしょうか?

だとしたら「今」しかないのです。

もう過ぎてしまった過去を引きずって後悔してても時間がもったいないし
将来に不安をもっても、実際にそうなるかどうか分からないし。
やっぱりこうしている「今」を充分に味わってゆくしかない。

夫と二人、夕食を食べながら「この漬け物、美味しいねぇ」なんて
言いながら食べているものをゆっくり噛み締めて、夫との会話も味わって
何とか二人、今日も無事に1日を終えられることに感謝して、そういう
たわいない「今」こそが、きっとすべてなんだろうなぁ・・・と、
思ったのでありました。


満開のアガパンサス 
庭のアガパンサスも「今」を存分に咲いています。



コメント

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No title

なんとなく宇宙の話…ブラックホールをイメージしました。
ブラックホールに吸い込まれて行くとホワイトホールに出ると言う。
忘れると言う事を意識しているともんのすごくコワいですが
忘れているのを忘れるくらいになると逆に幸福感に満ちてるかも
なんてことを思ったりしています。

No title

ほんとですねえ、、、
しみじみ、、、、

香子さま

なる程、逆説ですね。確かに映画でも最後に(もうほとんど子供のようになったアリスが)娘が詩を読んで聞かせて「分かる?」と聞いた時、アリスが目を輝かせて「愛」と言ったのを思い出しました。そうか、そういう意味だったのか、あのシーンは。

風子さま

なんかねぇ、歳をとって良かったなぁと思うんですよ、この頃。気力も体力ももう若い頃とは違うけど、だから気付けることもある。「忘れる」ってことも、必要なのかもしれませんねぇ、きっと。