煮梅

全部、穫ったと思っていた梅がポトリと落ちたり、草の陰に隠れて
いたり・・・。
拾い集めた数個の梅の実で辰巳芳子流「煮梅」を作りました。


下処理した実を塩水で煮て、その後3日間塩水につけ込みます。
4日目には一日流水にさらし、5日目にたっぷりの水で茹でます。
それからまた水に晒して、塩の抜け加減や酸味、苦味を味見。

それからざらめを煮とかし、さました中にそーっと梅を移して静かに
20分煮ます。
器に移して冷やします。

完成までに6日間かかりました。


煮梅
優しく扱ったのに、右側のは煮くずれてしまいました。


甘過ぎず、酸っぱ過ぎず何と良い加減のお味でしょう。
今までに食べた事がないくらい本当に美味しかったです。

たぶん、梅の気持ちと私の気持ちが一緒になったのでしょう。
(あれあれ、また変なこと言ってるよ、と言わないで・笑)
私はもちろん、梅の古木に感謝を込めて今までにやったことがない
くらい丁寧に時間をかけて扱いました。
梅はそんな私の気持ちを汲んでくれたのでしょう。

主人は一口食べるなり「うまい!」と言いました。
友人も「あー、これは美味しいわぁ」と言ってくれました。
美味しいものを食べた時って、みんないい顔してますよね〜♪


来年は実がならないかもしれないし、または私が作らないかも
しれないし・・・そう思うと、この味も一期一会かもしれませんねぇ。



コメント

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う~~~~む、そうだったのですね。
美味しい梅煮には 手間がかるものだったのですね。
納得いたしました。
教えてくださってありがとうございます。

ただただ梅の実が愛おしい…
そのお気持ちが伝わってきます。

食事を丁寧に作る人を尊敬します。私はいい加減にやっているので。
丁寧に料理するということは、丁寧に生きるということなのですね。
先日「あなたの身体はあなたの食べるもので出来ているのよ。
生き方を変えたかったら、食べる物を変えなさい」というセリフも聞きました。
「食事」って、ただ「食べること」だけではないんですね。

風子さま
いえいえ、私も知りませんでした。こんなに何日もかかるものとは・・・。しかも梅干しは量が多いから、雑に扱ってしまいますが、これは繊細なのでやさ〜しく扱わないとすぐ崩れてしまいます。心をこめないと出来ない料理ですね。

香子さま
こちらに来てからずーっと毎日、毎日見ている古木の実だからなおさらなんでしょうね。
朝、カーテンを開けると、すぐそこに見えるのです。
桜の散り際も美しいけど、風に舞い散る梅の花もまた格別です。夕暮れに強く香るあの香りも・・・。

れいうささま
おっしゃる通りです! 私もこの歳になって初めて、食べるということを真剣に考えました。
あまりにも今までいい加減だったな〜って。
私っていい加減な人間だったんだな〜って。(笑)
子供が小さかった、仕事が忙しかった、親の介護で・・・と言い訳すればいくらでも口実は見つかりますが、そういう問題ではないんですよね。自分の生き方の問題なのだとやっと分かりました。そうは言っても、毎回手のこんだ料理は作れないので、料理をする時、どこかにその精神を注ぎ込みたいと思う毎日です。

一期一会の味のお話、染みいります。
良い話を聞かせて頂きました。
辰巳さんの「仕込みもの」の中でも、煮梅はとびっきり
手がかかりそうに感じられました。
梅への愛情が感じられます。
映画「あん」の中で徳江さんが小豆を煮るとき、
それはそれは愛おしそうに煮るの。
そのシーンと朋百香さんの姿が重なりました。

sognoさま
「天のしずく」観ました。その中でもやっぱり、辰巳さんがスープの材料をそんな風に炒めてました。はあ〜、料理ってこうやってするものか、と目から鱗でしたよ。「あん」早く観たいな〜。

「天のしずく」ご覧になりましたか。
もしも先生のお教室に通う生徒なら、私は自分のだしのひき方やポタージュの作り方じゃぜったい「叱られる」と辰巳先生がとても怖く(笑)思ってましたが、劇場へ観に行って、あのハンセン氏病の女性のスープのくだりにことに感じ入って、自分の上っ面の皮が暗い劇場の中でそっとはがされたような気がしました。
(その一方で、怠けたい自分にも正直でいようって今は思います/笑)
ていねいに作り込むって、自然と何かしら込めてますよねえ。本当に美味しそうな煮梅です♡

tomokoさま
あのシーン、泣けましたねえ。80を越えて分かることがある、とおっしゃった辰巳先生のお言葉、深いです。私なんかまだヒヨッコだぁー(笑)私も上っ面を生きてきた自分を反省し、何事も深く味わって「一つ一つに時間をかける」生活を模索中です。逆に言えば、やっとそれが出来る年齢になったということですか・・・。歳をとるのも悪くないですね。