女王蜂

蜂などというものに全く興味のなかった私が長平庵の床下に住み着いた
野生の日本蜜蜂のお陰で今や蜂の知識も増えた。
というか、むしろ蜂さんはいろいろな事を教えてくれる。

日本蜜蜂は西洋蜜蜂より一回り体が小さく色も地味。
だが他の蜂には見られない徳技を持っている。
たとえば、巣に天敵のスズメバチなどが入り込むと何十匹もの蜂が
スズメバチを真ん中に団子状に固まり熱を出して殺してしまうのだそう。
また夏のある日、巣箱の中でブーンとモーターのような音がする。
不思議に思って渡辺先生に伺うと巣箱の中の温度が上がると何百もの蜂が
羽で風をおこして巣の中の温度を下げるのだそう。
私の聞いた「ブーン」はその羽音だったらしい。

知れば知るほど「はー」と感心してしまう蜜蜂の世界。
先日の分蜂の時も、てっきり分かれるのは若い女王蜂だと思っていた私に
先生の「出て行くのはお母さん女王の方ですよ」という一言。
「えっ」と絶句した。
「潔いのです女王は、娘の女王蜂に住みなれた巣を空け渡し、母は新天地を
求めて巣立つのです」
「・・・」
もう、何万回も卵を産んでくたびれてきたであろう体にムチ打って、新しい巣が
今より住みよいとは限らないのに・・・と、母女王の立場になってしまった私だが
次の瞬間思った。「えらい!」
私は旅立つ女王蜂に敬意を表したい。
その勇気と行動力。
これは、見習わなければならない。
「もう、私は歳だから・・・」なんて言葉は女王にはないのだ。

一個連隊引き連れて分蜂する女王蜂をいつかタロットの中に描こう!
私は固く心に誓った。


写真・ナルコユリの奥に見えるのが一番目に設置した巣箱。
   西洋蜜蜂とは形が異なる。
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