うっぽんぽん

文楽の世話物「双蝶々曲輪日記」を観てきた。
「堀江相撲場の段」から「八幡里引窓の段」まで五段の
長丁場だったが、なかなか大勢の登場人物の人間模様が
よく描かれており、男女の情から、親子の情、義理人情と
いかにも日本人好みのお話。

中でも子を想う親の気持ちというのは、時代を越えて人の
心を打つものである。
が、その息子の1人、山崎与五郎というやつは「うっぽんぽん」
なやつで、(うっぽんぽんとは空っぽ、中身のない、何も考えて
ないということ。太夫のセリフでこの「うっぽんぽん」が妙に頭に
残ったのでした・笑)
女房がいながら、放蕩のあげく遊女を身請けしたいと、回りを
巻き込んでの大騒動。
駆け落ちしたものの行き場がなく、実家に戻っている女房に
かくまってほしいって、あんた、何考えてるのよ!とおばさんは、
つっこみたくなりましたよ、全く。

でもね、たまたま買ったパンフレットに乙武洋匡さんが文楽の
感想を書いてらして、「道徳的じゃないから、好きなんです」って。
確かに文楽とか歌舞伎ってダメ人間が、たくさん主人公になっている。

そこに人々は共感するのだろうか?
完全無欠な人って見たことないし、もしいたとしたら人間として魅力的
じゃないのかもしれない。
そして女房は・・・そんなうっぽんぽんなやつを許し、母のような大きな
愛で包んで菩薩になるのか・・・。
(んー、私はまだまだその境地にはなれん!)



この日、ご一緒した皆様は

文楽の三人、前

Y子さんと絵美さん。RUさんとR子さんはお洋服でした。
打ち合わせた訳でもないのに、きもの組は3人とも黄色系。
初秋に着たくなる色なのかしら?
(RUさん、お写真ありがと!)


絵美さん、コスモス帯
絵美さんは黄色というよりクリーム系の小紋に
染めのコスモスの帯。
絵美さんらしい優しいニュアンス。



由紀子さん、花鳥帯
Y子さんは縞のお召しに民芸調の「花鳥」の帯。
きものがキリッと引き締まりますね。


私のお太鼓
私は鳥の子色の無地紬に青磁色の地に白といぶし銀の糸で
菊と萩を刺繍した帯。

それぞれに秋を感じさせる装いでした。









コメント

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秋の装い、Eさんのブログでも拝見してきました~。
皆さん、スラリ美人さんだわぁ・・・羨ましい!

皆さまのコーディネート、まだ残暑の残る浅い秋という感じが出てますねぇ。
帯も並んでの画像の印象と一枚一枚で拝見する印象とちょっと違っていたりして面白く思いました。

引窓の段が・・・やっぱり好きですかねえ。
若いときから老け趣味でしたけど、引窓になると
老いた母者人と義倅の与兵衛のキモチがしみじみと沁みてくるようで。

お三方、秋の日だまりみたい♡
秋になれば、秋の帯を締めるなり。萩と菊の帯、羨ますぃ〜♪ 笑

このたびは早々と良いお席を手配してくださってありがとうございました。
「うっぽんぽん」がこの界隈でしばらく流行りそうな予感…(笑)
お二人のこの季節ならではのはんなり帯よかったです!私、実は秋海棠の染め帯がどうしても見つからず…最近、ほんとに思い出せないんですよね〜(T_T)

りらさま
写真って難しいですよね。光の当たり方で色とか
変わってしまうし・・・。絵美さんのお太鼓、私の影が
写ってしまって綺麗な色がでませんでした。
移動の合間の撮影タイムなので・・・(笑)
ほんと、日本のきものくらいでしょうか、季節のあわいを
うまくお洒落に取り入れて装うのって。
色、素材、季節の柄という微妙な変化をつける感性って
日本独特ですよね。これも気候風土から生まれたものなので
しょうが・・・。

tomokoさま
「引き窓」が小道具として効果的に使われるのが、
なかなか趣があっていいですね。もちろん、老いた母の
義理の息子、ホントの息子を想う気持ちもよ〜く分かる気が
します。これがアメリカなんかだともっとドライなんでしょうが。
日本の土壌ならではのしっとりした感情ですね。


この帯、姉のお下がりなんですよ。
自分ではこういう季節ものは、なかなか買えません(笑)

yukikoさま
yukikoさんみたいに、たくさんお持ちだとそうだと思います。
私なんて数えられる程ですが、それでもなかなか見つからない
時があります。(あ、これは単にしまい方が悪いのか・・・)
秋の染め帯、見つかると良いですね。

こんにちは! ああっそうでした「うっぽんぽん」。インパクトあったのに、忘れていた……。自分のブログには「あほぼん」と書いてしまいました(笑)。
そうそう、あのうっぽんぽんたら、確か身請けの金も半額しか用意できてなかったですよねー。ホントにダメなやつ。
ダメ人間が主人公だからこそ、義太夫の嘆きの節回しが生きるのかも知れませんが・・・。

お二方の装い、帯周り、とても麗しくて目がぱちっと覚めるようでした。また遊んでくださーい☆

絵美さま
「義太夫の嘆きの節回し」私は「橋本の段」の豊竹嶋大夫さんの
駕籠かき甚兵衛が娘、吾妻に涙ながらに与五郎を思い切ってほしいと
懇願する、あの場面が印象的でした。もう、嶋大夫さん、泣いている
ようにしか見えませんでしたもの。甚兵衛になりきっちゃっているの
でしょうね〜。こちらももらい泣きでした。
文楽は大夫、三味線、人形遣いの三位一体ですね。
それぞれが同じ力具合で、初めて人をグーッと物語に引き込む気が
します。

文楽は庶民の娯楽だし、説教節というバリエーションもあるので
観た後に「ウチの亭主も大概だけど、ああいうアホじゃなくてよかった」って
思うようにできてるんじゃないかなあ…な〜んて思ったりしてるのでした(笑)

最新記事の気仙沼ニッティングのお話ありがとうございました。
手仕事プロジェクトは何件か存じているのですがニットは初めてです。

香子さま
なるほどね・・・「うちもいろいろあるけど、あれよりゃマシ」と
いうやつですね。(笑)
何でも許せる肝っ玉母さん、目指します。

気仙沼ニッティング、なんか嬉しいじゃないですか。
復興支援プロジェクトだったのに、株式会社になっちゃたなんて。
気仙沼だけじゃなくて、日本はもっと「手仕事」に力を入れるべきだと
思うんですよ。それが日本の生きる道じゃないかってね。