クチナシ

外出から戻るとキッチンにクチナシが活けてあった。

私「これ、あなたが活けたの?」
夫「うん」
私「・・・!」

結婚して35年、夫が花を活けたのはこれが初めてだ。
どういう心境の変化だろう・・・?
花の名前もろくに知らない人である。

しかも花瓶でもなくコップでもなく、自分が飲んだゴマ麦茶の空いた容器
に・・・(この辺がさすがAB型、ユニークだ)

若い時の私だったら「イヤだ〜、こんなのに活けて〜」と言ってすぐに
綺麗な花瓶に活け変えただろう。
だが、私もそのまま飾っておいた。
庭に出てクチナシの枝を切る夫、ゴマ麦茶の容器の口をハサミで切って
広げ、そこに花を挿す夫を想像すると、その姿が微笑ましかったからだ。

若い時は縦のものを横にもしない人だった。
人って変わるものなんだな・・・。
夫も私も歳をとったってことか。

それ以上、このクチナシについての会話はなかったが、甘い香りは
いつまでも部屋を漂っていた。


くちなしの花





コメント

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ん~ 素敵なおはなし 聞かせていただきました。
ボトルに入ったクチナシ 絶妙の塩梅です。

うちの人も もう少ししたら こんなふうに
花に興味もったりするかしら、そして それをほほえましく
見る 私がいるかしら。
そうだったらいいな。

風子さま
これから、お互い歳をとっていって物忘れ(すでに始まってますが)が
酷くなり、自分も老いながら夫が老いてゆく姿を見るのは結構、辛いものが
あります。でもそれも自然なことと受け止めて、抵抗することなく流れて
ゆきたいなぁ〜と。人生の冬を迎えた2人、ゆっくりゆっくり歩んでゆきたい
ものです。

まぁ、微笑ましいエピソード、ありがとうございます。
お写真だと、なにやらクリスタルの花瓶のように見えて、全然違和感ありませんね。
私も夫の老いを見つけると辛い気持ちが募りますが、このお話を糧に、
また明日から、いえ今から楽しく生きるすべを探りたいと思います。

セージグリーンさま
最近、テレビを観る時の夫の口が今は亡き義母によく似てきているんです。
口をへの字にして・・・(笑)歳をとってくると親子って変なところが
似るんですね〜。そんな発見を日々しながら、つくずく長い年月を一緒に過ごして
きたんだなぁ・・・と、思います。
自分の親と過ごしたよりも長くいるんですから不思議なものですね、夫婦って。
 

こんにちは! まあ! ご主人さまAB型なんですか、私もです☆
私もこの間、ジャムの空瓶に花を活けようとしました(笑 結局もっとオシャレ目のグラスに替えましたが)。
クチナシの甘い香りに、心誘われるものがあったのかも知れませんね。その麦茶のペットボトル、花が終わってからもそのままにしておいたら、もしかしたら別の花を活けてくれるかも知れませんよ♪

絵美さま
あら〜、絵美さんもAB型。天才肌なんですね。主人はいつもユニークな
発送の持ち主で時々、私はついてゆけない事があります(笑)
知らない者同士が一緒になって、とっても理解出来ないことを歩み寄りながら
(時には諦めながら)やってゆくのが夫婦なんだなぁ〜と、今更ながら感じている
今日この頃です(笑)

うふふ、お二人ともとてもいい感じがします。
映画『旅情』に出てくる思い出の花はクチナシじゃなかったでしたっけ?
白くて清楚なお花と甘い香り、優しみある記憶になりそうですね。

tomokoさま
ありがとうございます。皆様、良い感じにとってくださって・・・。
でも私は優しさの中にも、老いの戸惑いを感じます。
孫が出来たせいもあるのかもしれませんが、妙に主人が好々爺に
なってゆくようで・・・。そういう私も◎子ちゃんと一緒だとすっかり
お婆さんの顔ですけどね・・・(笑)

素敵なお話・・・羨ましや~~。
胡麻麦茶というところが、ご主人様の素敵さを醸し出しています。(お会いしたことはないのですが、ファンになってしまうエピソードの数々!胡麻麦茶ではなく、普通の花瓶だったらそうはいきませんわ)クチナシの香り・・・実家に飾っていたころのことを思い出しました。香りの記憶は永遠ですね。

とうこさま
そうなんです。「胡麻麦茶」というのが彼の感性なんでしょうね。
若い時はそれを私は完全否定していた気がします。
私も「自分」というものをしっかり持っている人間なので、お互い同じ
タイプの人間が歩み寄るのは、なかなか難しいものです。
長い時間かかってここまできたんですね〜。まだまだ意見の相違は
多々ありますが・・・(笑)