女殺油地獄

ご存知、近松門左衛門の世話物「女殺油地獄」を観てきた。
この日の第二部はこれと「鳴響安宅新関」(勧進帳の段)だが、用事が
重なり、私は前者のみで失礼した。
という訳であの「豊島屋油店の段」が強烈に頭に残った。

実際にあった事件を近松が人形浄瑠璃にしたという説もあるが
定かではない。

          与兵衛

与兵衛は人間の皮をかぶった鬼畜のようなヤツ。
いったい人間の本質というものは何なんだろうと考えてしまうお話。

与兵衛のお陰で振り回される回りの人達。
特にどんなにどうしようもないヤツと分かっていても、我が子を想い
お金を用意する与兵衛の父母の親心が哀れ。
親としてその心情がよ〜く分かるだけに、情けが仇となる油屋の段は
なんとも遣る瀬ない。

題名にもあるように殺人の場面が一番の見せ場というのもちょっと・・・
と思うが、しかし凄かった。
歌舞伎では油の代わりにフノリを使って臨場感をだすが文楽では
ありえないくらい人形をすべらせる事で油を演出。
これがさすがの勘十郎さん、素晴らしいの一言。
油屋のお吉の方も殺されて倒れる瞬間が人間に見えた程。
これが文楽の醍醐味なんだろうなぁ・・・と、中身の濃〜い演目で
ありました。



この日、ご一緒したのは

       文楽、4人写真
右からSGさん、絵美さん、TKさん


       絵美さんからの半幅の後ろ姿
絵美さんは単衣の白大島に牡丹の半幅帯。
写真では分かり難いが質感、光沢、繊細な柄など見事な
白大島でした。


       SGさん、お太鼓
SGさんは紬に染めの小紋。流水のようでもあり、遠目には
絞りにも見える。 実は私もこの日、疋田くづしの小紋を着ようと
思ったのだが、どうも柔らかものは苦手。やっぱり紬は軽くて
着易い。で、ついつい紬を着てしまったのだが、「紬の小紋」
そうか、その手があったか、と目から鱗でした。
白の紬に好きな柄を染めてくれるお店で誂えたのだとか・・・
いつか・・・教えてください、そのお店。


       たけちゃん、お太鼓
TKさんは江戸小紋に喜多川俵二氏の織りの帯。
鳥達の絶妙な色の変化が美しい。
道明の紫の帯締めが、とっても素敵だったのですが、
全く違った色に写ってしまったのでアップ出来ず。残念。



この日の私は
       鳥の子色、単衣紬
鳥の子色の紬の単衣に京都、千藤さんの織り帯。
帯留めは「帯留め遊び」にも載せたガラスのもの。

       千藤さん帯、お太鼓
この帯、前帯とお太鼓では表情が全く違うので面白い。
通称「ワッフル帯」  軽くて締め易いのに、お太鼓の
形はキレイに決まる優れもの。





コメント

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大好きな演目のひとつです。(といって今月も観やしないのですが/苦笑)
人形浄瑠璃ならではの表現がたまりません。
およったり、並ばれたところ、それぞれの色合いがとても素敵!!

tomokoさま
そうですね、人形浄瑠璃だからこその表現ですね。
まあ話の内容はともかく、人形の使い手の表現力、ベンベンと
鳴る太棹の三味線、浄瑠璃の節回しにしびれてしまいました。
観れば観る程、嵌ってゆきそうです。

「それぞれの色合いが〜」そうなんです。いつも不思議なんですが
同じ色系は全くなし。申し合わせたように、色とりどりになるんですよね。
遠目で見ても、綺麗な組み合わせだったのではないでしょうか・・・
SGさんの染めの紬、紬と言われなければ分からなかったです。
柄ゆきも良かったですしね。

楽しいひと時をありがとうございました。
この物語、DVと振り込め詐欺を合体したようで、しかも恩人を手にかけるとは、
与兵衛お書きのように鬼畜ですね。人間の所業は時を経ても変わらないのだと、
楽しみながらも改めて思ったことでした。

砥の粉色の結城にブルー系のワッフル帯の組み合わせ、反対色に近い
高度な組み合わせですが、小物をベージュでそろえることで全体が
しっくりと馴染み、、、さすがの着こなしだとホレボレしました。
私の染め紬の工房、当時頼んでくれた友人に問い合わせた所、
すでに閉店されたとのことでした。お役に立てずにごめんなさい。
この流水紋は江戸小紋ではないので、
型はどうなったのか分かりませんが、染一会さんでも紬地の小紋を染めて
くださるようです。
http://somesan.exblog.jp/17755279/

また、同じ中落合にあって、2代目が頑張っている広瀬さんにも興味津々です。
http://komonhirose.co.jp
どうでしょうねぇ、、、。

追伸です。
5月7日のブログに、ちょうど紬に江戸小紋を染めた男物の着物が掲載されています。
ブログをたどると、ペーズリーなど、江戸小紋を越えた意欲作もあるようです。
中井、落合では秋に染め物祭りがあるのですが、それとは別に工場の見学会もありますので、参考までに。

楽しまれたようでよかったでした〜♪
ホント、与兵衛ってどーしょーもないあんちゃん。
でも現代でもそういう子いますもんね (^-^;;
これで「逮夜」が入ってる段もやるとその後が分かるんですが。

みなさま各人各様、ステキでございます〜i-233

セージグリーンさま
早速の情報、ありがとうございます。そうですか、閉店されたの
ですね、残念。 この日、着ようと思っていた疋田くずしの単衣は
実は染一会さんのものなんですよ(笑)
広瀬さんも気になります。が、このところ忙しくて、いい具合に
購買意欲が減退しています。(っていうか飛ばし過ぎで資金繰りが・・・)
「染めの紬」心のノートに書き留めて、いつかタイミングが合えば・・・と
思います。

セージグリーンさま
さらなる情報、ありがとうございます。
参考にさせて頂きます。

香子さま
はい、ありがとうございました〜。
与兵衛のその後、確か屋根裏の鼠が血染めの借用書とかを落として
御用となるのですよね。あのまま逃げ果せたのでは納得ゆきません
もの。結局、ああいうヤツって甘えん坊で心が弱いんだと思うな。
現代のニュースを見ても、いっぱいいますよね、そういうヤツ。

先日は楽しかったですね! ありがとうございました。
油屋の段のあの人形がつーっとすべるところって、どんな風に人形を遣ったらあのようになるのか…。チームワーク必須ですよね。
それにしても、生みの母が涙をこらえながら、放蕩息子に勘当を言い渡す場面、深い悲しみや迷いが伝わってきて、人形も義太夫もすごいなあと感心しました。
勧進帳も良かったのですが、私は歌舞伎の方が好きかな…。
また機会あれば、ご一緒しましょう!

絵美さま
そうですね、あの「つーっとすべるところ」が凄かったですね(笑)
1人で操っっているわけではないのに、あの滑らかさ。
さぞや練習を重ねるんだろうな〜と感服致しました。
「勧進帳」は私も歌舞伎で何度も観ているので・・・。
むしろ第一部の「丗三間堂棟由来」の方が観たかったです。
しかし浄瑠璃、クセになりますね(笑) 暫くすると、また聞きたくなります。

おはようございます。
行きたかった公演でしたので、羨まし~~と眺めておりました。
お着物も皆さま上級の世界ですごい!!織の艶を感じさせる逸品。染のお洒落。堪能させていただきました。
落合、探検してみたいです。

とうこさま
いつも思うのですが、皆様ご自分の好み、似合うものを
よくご存知でうまく着こなしていらっしゃるな〜と感心します。
皆様とお目にかかると、情報がいろいろあるのでそれも楽しい
ですよね。お茶の時間には、ほとんどきもの談義でした(笑)