悲梅哀歌

東風吹かば匂いおこせよ梅の花、主なしとて
春を忘るな

菅原道真が愛した梅の木に別れを告げた、あまりにも有名な歌で
あるが、実は私も自分がいかに梅の木を愛していたかを思い知らされる
事件がおきた。

あの大雪で樹齢100年は越す梅の木が折れた、というか裂けてしまった。


梅1


見るも痛々しいその姿。
写真では分かりにくいが雪の重みで3カ所も折れていた。
大雪の翌日、カーテンを明けてこの姿を見た時のショックと言ったら・・・


梅2


我が家の庭でずーっと家族を見守ってきた梅。
もう中はかなりカスカスなのに、毎年美しく花を咲かせ、その香りで
春を告げてくれた。
花が終われば実をつけて、梅酒や梅干しになって家族の健康に貢献して
くれた。

いつの間にか私の中では大切な存在になっていた。
怪我をした友人をいたわる様に、私は一生懸命梅に声をかけた。

「痛かったでしょ」「重かったでしょ」
「すぐに植木屋さんを呼んで手当をしてもらうから、もう少し
我慢してね」
ちょうどたくさんの蕾をつけ、開き始めた時だった。
折れた枝にも花がついていたが、梅の負担を減らす為に随分と枝を切った。

梅3
枝を切る


傷口に薬を塗って枝を持ち上げ、雨水が入らないようコーティング。
すべて手当を終えて植木屋さんは、心配顔の私に「自分でも治そうとする
力が働くので、たぶん大丈夫ですよ」と言ってくれた。
そう、やれることはやったので後は本人の治癒力に期待する他はない。


梅5
支え棒だらけになってしまった。


歳を考えたら、もっと枝を間引きしてやっていたら良かった。
毎年、たくさんの実をつけていたので、それが当たり前だと思っていたが
随分と負担になっていたのだろうか・・・
いろいろと反省してしまうが、今はひたすら長生きしてくれることを
祈るばかり。

大怪我をしたのに健気に満開になった梅の木を見る度に心が痛い。





コメント

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何ということでしょう。あの思い雪が太い幹にここまでダメージを与えたのですね。樹医さんのように、丁寧に手当をしてくださる植木屋さんですね。

>「自分でも治そうとする力が働くので、たぶん大丈夫ですよ」と言ってくれた。
そう、やれることはやったので後は本人の治癒力に期待する他はない。

勝手ながら、自分のことに引き寄せて考えてしまいました。
私も梅の木の治癒力、生命力に期待します。梅の木さん、お大事になさってくださいね!

セージグリーンさま
ありがとうございます。
この梅は毎年たくさん咲いて毎年たくさん実をつけるものと
思い込んでいた自分の浅はかさを思い知りました。
これからは、いたわって手入れをしてゆこうと思います。
でも絶対、持ち直すと信じてます。
生命力というのは凄いですものね。
老木とは思えない爽やかな香りを辺りに放ってすっくと立つ
その姿に感動を覚えます。

可憐な花をさかせた矢先に枝を折られて、いたわしい姿ですよね。
手当てがはやく済んで、きっと職人さんがおっしゃる通りに
回復しますように。
以前見たテレビでですが東北の奥地の深い森で、たいそう老いた
ブナでしたか、年老いて葉を落とすのが遅れてしまい(若い木は
早くに葉を落としてしまえるんだって初めて知りました)
それが積もる雪に対してどんなに致命的かをナレーションで語って
いまして。他にも並んで生えてしまった若木を老木が枯らしたり、
樹々の生命って人間が思ってるよりもはるかに生々しくて
ちょっとビックリしました。
私には、梅の木ってどんなに老いても、乙女みたいに映ります。笑

tomokoさま
やっとコメント、届きました。余計な事をしてすみません。
でも理由が分かって良かったです。

自然の世界って凄いですね〜。樹が樹を枯らすなんて
考えてもみませんでした。が、それが自然界なのですよね。
人間が勝手に樹に触れて癒されるなんて言ってるだけで、
実際にはみんな生きる戦いの日々なのですよね。
なんか喝を入れられたみたい(笑)
うちの梅の木も、感傷的になってるのは私だけで、当の木は
生きる気満々で頑張ってるのでしょう、きっと。

2回めの雪は湿った重い雪でしたものねえ。
でも樹医さんもおっしゃってますが大丈夫でしょう。
木にしたら百年なんてまだまだ若い方かもですよ。

香子さま
桜は樹齢300年なんていうのもありますが、
梅は何年くらいなんでしょうか?
人間と同じであちこち、支えてあげないと・・・
ですね(笑)
そう言えば、5月の文楽では「三十三間堂棟由来」を
やりますね。あれは柳の精ですが、きっと梅の精というのも
いるのでしょうねぇ。

早く良くなりますように。
一昨年の我が家の古い山桜を思い出し、涙が出そうになりました。
でも、素晴らしい植木屋さんが手当してくださったし、朋百香さんの想いもきっと伝わって、大丈夫ですね。
自然の力ってすごいですよね。
(うちの山桜もどうにか無事に復活しました。)

良かった~!
最初のお写真を拝見して、きゃっ!と思わず悲鳴を上げてしまいました。

やっぱり日本の職人技ってすごいですね。
古木と言われるような梅の木って、もう日本の宝だと思います。
そして、庭の木を大事に愛する気持ちというのも日本人は特に強いように思います。

読んでいて胸がきゅ〜っと痛くなりました。
コンクリートの隙間からでも伸びてくるほど
植物って生命力が強いんですもの、
朋百香さんの優しい気持ちに見守られて、
梅の木はきっと元気になりますよ!!

こんにちは。花をつけ始めた枝が折れている姿、痛々しくて私の胸も痛みます。雪の重みで樹木が被害を受ける…というほどの大雪は、なかなかこのあたりではありませんものね。でも、ここまでしてもらえて、梅も嬉しがっていると思いますよ☆
樹木で思い出しましたが、2回目の大雪の夜、パーティ帰りで私が乗った電車が、ちょうど私の降りる駅で、止まってしまったのです。理由は、「樹木が倒れて線路をふさいだから」。雪の日の安全対策って、いろいろたいへんなんだな、と思いました。

とうこさま
そうですか〜、山桜復活して良かったですね。
人が思っているよりも、木の生命力は強いのかも・・・
梅の木も何事もなかったかのように、良い香りを振りまき
メジロが群れて蜜を吸いに(?)やってきています。

りらさま
そう言われてみれば、西洋ではあんまり聞かないかも・・・。
菅原道真の梅が主を慕って飛んでくるなんて話も荒唐無稽ですが
日本人はけっこう抵抗なく受け入れますものね。
香子さんのコメントにも書きましたが、柳の精とか桜の精とか
昔のお話にはよく出てきますよね。それだけ自然を愛する民族という事
なのでしょうか。

櫻子さま
ありがとうございます。
皆様にそう言って頂くと、そんな気がしてきました。
来年は「去年は大変だったね〜」と、笑って話しているかも・・・。
何の根拠もありませんが、梅はすべて分かっているような気が
するんですよね。皆様が励ましてくださって、喜んでいるような
気がします。

絵美さま
そうなんですよね、これも雪に慣れてないって事ですよね。
雪国では大雪を想定して樹形を作るのでしょうから、たぶん
こんなに枝を広げないのだと思います。
樹木自身もその気候にあった成長の仕方をするでしょうし・・・
雪国の生活って大変だな〜と、あらためて思いました。