新内流しの夜

「新内三味線とは江戸浄瑠璃のひとつで庶民の芸能。
 舞台やお座敷で文楽のように長い物語を太夫が浄瑠璃を
 本手と上調子の二本の三味線に乗せ、遊女の切ない恋物語や
 人情物を台詞や唄で語る情緒溢れる弾き語り」(案内より)

永田町黒澤で「新内の会」があったので、日本の伝統芸能には
全く興味のない夫を誘って行ってきた。
案の定「何時間やるの?」とか「俺、そば会席だけでいいや」
とか行く前から失礼極まりない発言を連発し、先が思いやられたが
演奏中はまあ、おとなしくしてくれて(寝てた?)ホッとした。

赤毛氈
会場となった永田町・黒澤の座敷


出演者は浄瑠璃・富士松小照、三味線・新内勝志寿、上調子・富士松小和可。

演目は「浜町川岸・花井お梅」
      行く水の流れは絶えぬ大川のぉ〜

   「欄蝶・若木仇名草」
      縁ごごそあれ末かけてぇ〜

お座敷で聴くには何とも風情のある三味線の音と小照さんの唄と語り。
男の声、女の声を自在に操って演じる姿は、さすが。
9歳の時から新内を始めたというから芸歴は半生をこえる。
芸一筋に打ち込んでいる人は、やっぱり何か違うなぁ。
演奏終了後に会食となったが「飲みながら聴きたいねぇ」と言う
夫の一言には私も賛成。
片手にお猪口を持ってしんみり聴く・・・といのが、新内には
ピッタリな気がした。

小照さん、演奏中は独特のオーラを放っていたが、お話してみると
とても気さくな方。
私の紬を「あら〜、素敵ね〜、私こういう色、大好きなの」と
褒めてくださる姿は普通のお姐様。しばし、きもの談義に花が
咲いた。この日はピシッと黒留袖に金糸の帯で「これが制服」と
言ってらしたが、カッコイイんだな〜これが。
芸もきものも年季がちがうよね・・・という感じ。

古典の復旧や新内を幅広い世代に知ってもらう為にミニライブや
福祉施設での演奏も積極的に行っている小照さん、ますますの
ご活躍をお祈りします。


小照さんと
小照さんとツーショット


新内の後はそば会席
秋の味覚に舌鼓、一部お料理を紹介すると、

八寸
八寸・割り山椒三種盛り、鮟肝の有馬煮
            松葉蟹の酢の物
            牡蠣の田楽と半年玉子
焼き物
焼き物・鰆の西京焼き鵬葉包み、ミニトマト、焼き葱
               しし唐、椎茸
鉢物
鉢物・鱈白子の玉締め、柚子釜蒸し

〆はもちろん、お蕎麦です。



この日のきものは
白鳥紬1
白鳥紬に西陣の名古屋帯


白鳥お太鼓
お太鼓


大島羽織
夜は肌寒かったので大島の羽織を。
大島はやっぱり軽くて暖かくて◎。









コメント

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新内ではないと思うのだけど、小さい頃(4-5歳)三味線を弾いている御姉さんと祖父がちびちびと日本酒、そして私…at 新橋。という不思議な光景があり、鮮明に覚えております。。。三味線の奏でる音色と日本酒って合いますよね。
そして、お蕎麦!本当に粋ですね。
大好きな白鳥の着物。いつ拝見しても素敵!!

いいですよねえ、新内。
知人の同級生が新内のお家元らしいんです。

よく歌舞伎の世話物の中で掛かったりしますが
新内だけのお舞台も観て(聴いて)みたいですねえ。
ソバ懐石もおいしそう…夜中なのにお腹空いちゃう(笑)

とうこさま
「三味線を弾くお姐さんと日本酒を飲むお爺さま。と小さなとうこさん」
なにやら不思議な光景が目に浮かびます。
よく分からないけど、忘れられない子供の頃の光景ってありますよね。

宣伝になっちゃいますが、黒澤の今の板長、若いのですがなかなか研究家で
一生懸命やってます。機会があったらぜひ、お越し下さいませ〜。

香子さま
歌舞伎や文楽だと、どうしても正面舞台の方に目がいって
しまいますが、「新内」が主役というのは初めての体験でした。
なかなか内容が分かり難い、という事はありますが今回は
小照さんが解説してくれたので、ちょっと理解できたかな(?)
遊女の悲恋や心中ものが多いので現代人には、なお分かり難い
心情かも・・・。でも切々と女心を訴える小照さんの唄には、
ぐっとくるものがありました。

香子さんぢゃありませんけども思わず連呼、
いいですよねえ〜新内も。(笑)
むかし深川の江戸資料館ができてしばらくした頃、
再現町の裏長屋で新内を流しで聞く機会があって
着物仲間といそいそ出かけたことがありました。
兄さんも姐さんも手ぬぐいをちょいと頭にこう乗っけてね。
小粋に流してくれましたが、誰も祝儀にまで考え及ばず・・・で
プチイベントだからいいんですけど、
現実世界じゃあ無粋きわまりない聴き方でしたねえ。(笑)
お召し物、初冬の景色、色合いが見えますですねえ〜♪

tomokoさま
小照さんも黒留袖だったし、男性も紋付袴でちょっと私の
新内流しのイメージとは違いました。
私のイメージは縞のきものにtomokoさんがおっしゃるように
手ぬぐいをかぶって、三味線を弾きながら歩く姿なんですけど
・・・。時代劇なんかではそんな感じですよね?(笑)
江戸資料館の方が私のイメージ通りだな〜。
夏は屋形船で演奏するんですって。それも良さそうですよね。

日本の古典芸能のカテゴリーが今一つよく理解できていない私です。
浄瑠璃と新内・・はて、どう違うのでしょう?
浄瑠璃は男性だけですよね?チガウ?
それはさておき、小照さんの佇まい、年季が違うって言葉がピッタリ。
粋ですね~
蕎麦会席もおいしそう♪
朋百香さんの白鳥紬、うちのモニターだとほんのりピンク色に見えます。
きっと光源によっても色が違うのでしょうね。
日本人はこういう微妙な色合いの違いも楽しめるのでしょうね。
だって着物って、形は皆一緒ですもの。

straycatさま
私もよく分からないのですが、同じ浄瑠璃でも分かれて
いるようです。全く同じ言葉で唄われる演目が人形浄瑠璃と
新内では節の調子や使われる三味線が全くちがうそうで・・・
人形浄瑠璃の方が男性だけで(?)ちょっと泥臭いというか
新内の方がしんみりとした感じなのではないでしょうか?
聴き比べてみないと分かりませんが・・・

この紬、ほんのりピンクで正解です。紬ですが引き染めしてる
ので、グレーがかったピンクですが。
ほんと、微妙な色ですよね、そこが好きですが。

黒澤さんの美味しいお料理と新内とは贅沢な夕べですね〜
ご主人さまも心地よく楽しまれたのでは?
白鳥紬、暖かいのでしょうね。帯も味わい深くてステキ。
譲られた大島の羽織があったのですが、2枚とも帯にしちゃいました。こういう着方をすればよかったのかと気づかせていただきました(もう手遅れだけど)

yukikoさま
やっぱり寒くなってくると、ほんわりした紬の暖かさ
恋しくなりますね。
主人は演奏後のお酒は確かに「心地良く楽しまれて」ました(笑)

この大島の羽織、きもの友から譲られたものですが、初めて着て
その軽さと暖かさに感激しています。羽織はもう1枚、絹物が
あるのですが、比べるとかなり重いです。

yukikoさんの縞の黄八丈、なんとも色合いが素敵ですねぇ。
(straycatさんのところで拝見しました)

美味しいお料理に舌鼓を打ち、お酒にほろ酔いになりながら、ゆるりと新内の調べにたゆとう、、、夢見心地でしょうね。私は西洋音楽偏重の音楽教育の犠牲者(?)で、しかも実家にあるレコードも洋楽ばかりで、邦楽とは無縁に過ごしてきました。この歳で着物に親しむようになり、和楽器の演奏にも憧れるようになりました。
それにしても粋なお姐さんですね。さぞかしおきれいだったことでしょう。
朋百香さまのほんわか温かい質感のお召し物も、エキゾチックなパルメットのおみ帯も、ステキですね、、、。

セージグリーンさま
お酒がピッタリと書きながら、下戸の私です(笑)
私もそうですよ、料理屋の娘ながら子供の頃から聴いて
いたのは洋楽で・・・邦楽は全く分かりません。
この歳になってやっと三味線もいいものだな〜と。

お褒め頂きありがとうございます。
以前、ブログにも書いたのですがこの紬、白鳥の羽毛が
織り込まれているんです。それで「白鳥の恩返し」って
ネーミングしたのですが、略して白鳥紬です(笑)

新内にそば会席とは、なんてステキな企画なんでしょう♪
私も新内と言えば、皆さんと同様で
江戸の町を三味線を弾きながら流す時代劇のイメージ。
通りから聴こえてくるのを、
それこそ蕎麦屋でイッパイ飲みながら…みたいな。
しかし、本当に黒留カッコイイですね〜♡

羽織紐、ご愛用いただいて嬉しいでーす♪

こんにちは!
白鳥の羽を織り込んだ紬…というのも何だか物語があって
(私の中では切ない物語)、秋にしっとり新内を聴くシチュエーションにぴったりだと思いました。
私も、こういう唄は歌舞伎の中などでしか接したことがないのですが、
唄だけで聴くとまた味わい深いものなのでは、と想像をめぐらせています。

櫻子さま
そうですね、でも黒留袖着られちゃうと「舞台で演奏」
みたいな感じですね。お座敷ではもう少し、くだけても
良いかも・・・。

はいー、羽織紐愛用させて頂いてます。
この帯だと色がかぶって、ちょっと目立ちませんが・・・

絵美さま
変な話ですが、日本人なのに唄だけでは
よく内容が理解できません。(苦笑)
唄の冊子をくださったので、それを見ながら
やっと、ああこういう事か〜と。
昔の言葉ですし、現代では聞き慣れないので。
ずいぶん日本語も変化してきたのですね。
(と、へんなところに感心してしまいました)
ただ三味線の音と曲調はそれだけで、しんみり
きますけど。

しっとりと秋の夜に

朋百香さま、

黒澤で三味線と新内、ぴったりの舞台ですね。 さぞ心地よいひと時と日本の音楽を楽しむことができたことと思います。 

私はこの年になって邦楽の良さ、伝統音楽を見直す機会をもち、 少しでも三味線をかじるとどんどん興味がわいてきます。 私は新内ではなく、常磐津を練習していますが同じ三味線でも大分ちがうのは面白いですね。

白鳥紬、いつ見ても本当に素敵です!



No title

ルリ子さま
そうそう、ルリ子さんお三味線、習ってらっしゃるんですものね。
私なんか全く分かりませんが、きっと常磐津、新内、清元、
みんな違うのでしょうね。
邦楽の良さってある程度、歳がいってからの方が分かるのかも
しれません。今は子供の時から洋楽を聴いて育っているので。
今度、こういう企画があったらお誘いしますね。