雫の音階

急に寒くなってしまい、しかも冷たい雨の夜、今年もウォンさんの
コンサートに行ってきた。
毎年、この時期に浜離宮朝日ホールで行われる、Wong Wing Tsan
(ウォン ウィン ツァン)のピアノソロコンサート。

瞑想のピアニストと呼ばれるウォンさんの曲を目を瞑って聴く人は
多い。私もそのひとり。眠っている訳ではない。
曲はしっかり、ハッキリ、耳に入ってくる。
だが、スーッと魂が身体からぬけて、浮遊する感じ。
どこまでも、どこまでも透明で、緩やかで、穏やかで、その感覚を
言葉にするのは難しいが、毎年ここに来て思うのだ、ああ、また
魂の故郷に帰ってきた、と。


ウォン ウィン ツァンの名前を知る人は、そんなに多くはないのかも
しれない。でも NHKの「にっぽん紀行」で彼の「旅のはじめに」が
テーマ曲として流れていたので、あ、この曲なら知ってる、と思う人は
多いのではないか。

彼は日本在住の中国人である。しかし、本人も言う四分の一入ってる
日本人の血がアーティストとしての自分を造っていると。
複雑な家庭環境で育った彼は、若い頃には荒れたりもしたのだとか。
そんな彼が「瞑想」することによって自分というものの本質に触れ
そして今の音楽を確立していった。

彼は自分の作曲したもの以外に童謡も演奏する。
今回も「うみ」「赤とんぼ」「荒城の月」「里の秋」の4曲を弾いた。
中でも「荒城の月」は、こんなに美しい曲だったのか・・・と、再認識
させられた程、想いのこもったものだった。

ラストはお約束のインプロヴィゼーション(即興音楽)20分。
弾けと言われれば、40分でも60分でもいっちゃう、と笑うウォンさん。
今年64歳、いつまでもお元気で私達の魂を清めてほしい。
清めるといえば、このコンサート、かなりの確立で毎回雨の事が多い。
そうか、浄化の雨だったのか・・・と今更気付いた。
そう思うと憂鬱な雨がキラキラ光る雫の音階に感じられるから
人の気分というものは不思議なものだ。

最後の舞台挨拶で「僕の財産はお金でも物でもない。家族、友人、
そしてここに来てくださった皆様」という言葉がいつまでも心に
響いていた。


ウォンさん、CD
だいぶ増えたウォンさんのCD.
私の大好きなドヴィッシーやサティもCDに
なっている。


ウォンさんホームページ


<おまけ>
「孤独な中国人青年と夢忘れた老婦人。
 囲碁がつなぐ、国を越えた人との温もり」

倍賞千恵子さん主演の「東京に来たばかり」日本中国共同制作
ジャン・チンミン監督

この映画の音楽をウォンさん親子が担当しています。

11月9日(土)より シネマート新宿(03-5369-2831)にて

「東京に、来たばかり」

映画






コメント

非公開コメント

朋百香さま
CD何枚もお持ちなんですね〜 私は2枚だけ
後ほどサイトにお邪魔して 見ましょv-410

数年前に当地でウォンさんの創り出す旋律
大谷石の蔵を改築したレストランで聴くことが出来ました
心にす〜〜っと染み入る旋律 とても落ち着くね・・・とダーさまも申しておりました
それ以来の ファンです

sachikoさま
わ〜、sachikoさんもファンでいらしたのね、嬉しい!
何と言うかピアノがもの凄く上手い訳ではないのだけど(ウォンさん、
ごめんなさい)、私にとっては普通の音楽とは別物なんです。
一緒に行った友達も「音薬」という表現をしてました、身体にも心にも
良く効くって(笑)
童謡のCD持っていらっしゃるかしら? 童謡シリーズもいいですよ。

支払う受信料のモトを取る以上によくNHKを見る我が家(笑)。
「にっぽん紀行」がはじまった頃、あ、テーマソング、いいな、
日常にある人生の悲喜こもごもにちょうどうまく寄り添うような曲だなって
思ってたんですけど、そうでしたか、おの方の曲だったんですねえ〜。
今度聴いてみようかな ♪

tomokoさま
そうですか「モトを取る以上に」(笑)それはいいですね!
そうそう「日常に寄り添う」、まさにピッタリな表現です。
ご自分が随分辛い、悲しい思いをなさったせいでしょうか、
人の気持ちのよく分かる方でそれを音楽で表現するから、
聴くこちらにも響くのでしょうねぇ。
ぜひ、他の曲も聴いてくださいませ。
ホームページからいろいろ試聴できますよ。

初めて聞くお名前です。
とても気になってHP開いてみました。
即興が素晴らしいですね!!いや~すっかり聞きほれて
しまいました。体が浄化されるような気分でした。
ゆったりとCDを聴くことから暫く離れています。

sognoさま
まあ、H.P見てくださったの? 最近は試聴出来るからいい
ですよね。ブログに試聴用のリンクでも貼れれば良かったの
ですがなにしろアナログなおばさんで・・・
疲れた時とか落ち着きたい時には、いいですよ、ウォンさんの
ピアノ。

ウォンさん 存じ上げませんでしたが 「にっぽん紀行」は
良く見るのでサイトへ行って ああ、この音、と。
透明感のある音です。
穏やかな気持ちになれますね。

その前に雫の音階、という言葉を見て、昨日 お茶のお稽古場
で聞いた 雨音を思いだしていました。
しんとした茶室の中に その雨音が その静けさを増すように
聞こえて ああ、いいなあ、って感じたのです。

雨の音 好きです。
(怖いのはいやですが 笑)

こんにちは! 私もHPで視聴してきました。月の音階、音が空からこぼれ落ちてくるような感覚で、まさに雨とオーバーラップ。身体や心の中のいやなものが、外へ流されていくようですね。
浜離宮そばのホールという場所もまた、瞑想へいざなってくれる絶好の場所と思います。

風子さま
ちょうどウォンさんの「月の音階」というCDがあるので
それにかけてみました。
雨音っていいですよね、あんまりゆっくり聞く機会が
ありませんが・・・。
絶対、風子さんもお好きだと思うな〜、ウォンさん。
機会があったら聴いてみてくださいませ。
メロディアス系の「光の華」がいいですよ。

絵美さま
おお、聴いてくださってありがとうございます。
アースやジャミロクワイの曲は、昼間、やる気を出す時に聴く曲
ウォンさんは夜静かに内省したり、リラックスする時の曲とでも
いいましょうか。
音楽ってそれで随分モチベーションが変わるので、大切ですよね。
ちなみに絵美さんに教えていただいた「Purely」は朝聴いてます。

童謡のCD

朋百香さま~♪

こちらを拝見し月の音階と童謡お取り寄せしました
童謡は荒城の月が入っているものを・・・
(海より遠くと光の華に加わりました)

お仕事モードに入る前に 心安らぐひと時
クララと音楽 まったりしておりますぅv-410

sachikoさま
おお、行動の早いsachikoさん! 私は今、サティに嵌っていて
ちょうどこのところ、雨の日が多くて、しっとり聴いています。
ウォンさんの弾くサティは、彼のサティへの愛情が感じられて
格別ですー。