「いのくまさん」と遊ぶ

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こういう絵を描いていた人が・・・



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こういう絵を描く様になるまでの経緯にとても
興味があった。


横浜そごう美術館で開催されている「猪熊弦一郎展」に
行ってきた。
猪熊弦一郎は若くしてその才能を開花させ、渡仏してマティスに多くを
学ぶ。
写実的な人物画などは、なる程どこかマティスを思わせるものがある。
だが、彼の素晴らしさ、独創性が顕著に現れるのは「具象」を捨てて
抽象画を描くようになってからだと私は思う。

彼はニューヨークに移り住み、都市マンハッタンを抽象的に描き始める。
そこから彼の冒険の旅が始まる。
猪熊さん曰く具象を捨てて抽象に至るには2年の歳月が必要だった、と。
何でも新しく挑戦すると言う事は、リスクを伴うしとても勇気がいる事だ。

「じぶんのかお」「ほかのひとのかお」「とり」「ねこ」「かたち」「いろ」
とそれぞれのテーマに分けられた展示は分かりやすくて面白かった。
中でも「とり」や「ねこ」は最高に楽しい。
その表情や動きからは、いのくまさんの暖かい眼差しが感じられて
こちらも楽しくなってくる。
肩からふっと力が抜けるそれらの絵は、まるで小さな子供が落書きを
した様な、純粋な遊び心と言おうか、無邪気と言おうか・・・

形や色を追求してゆく晩年がまた圧巻で、そのバランス感覚にはただただ
恐れ入るばかり。
彼に枠はないのだ・・・いや、そもそも枠なんてないのだ。
彼はそのことを知っていただけ。

常に勇気をもって新しい絵を模索し続けた「いのくまさん」に元気を
たくさん貰って足取りも軽く会場を後にした。
絵を描くって楽しい!という事を思い出させてくれた素敵な展覧会だった。


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そごう美術館(横浜そごう6階)
045-465-5515
http://www.sogo-gogo.com/museum/
「猪熊弦一郎展」9月9日まで






コメント

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マティスの影響というのが、よく解ります。でも、マティスではない、何かがあり。芸術家の方って、どうして、こんなインスピレーションが湧くのでしょう。何もわかない私は、羨ましい限り。
いっぱい眺めて、私にもインスピレーション降りてこないかなあ。

オンブルパルフェさま
私は絵を描くのが好きだから、絵についての話になってしまいますが、どんなお仕事でも、また仕事以外でもインスピレーションはくるのではないでしょうか? たとえばオンブルパルフェさんが、お好きな服を選ぶ時とか、好きな器を手にする時とか・・・「あ、これっ」っていうインスピレーションだと思いますよ。
もちろん、そこにその方のセンスとかも入りますけど。
そう考えると、この世界は何からでも、どこからでもインスピレーションを受け取れる素敵な所ですね。
ただし、アンテナをはっていないと受け取れませんが・・・。

こんにちは! 私の好きなカンディンスキーも、具象から抽象へドラスティックに作風が変わっていきましたが、20世紀初頭においては、大戦もありましたし、その時代の気風みたいなものも背景にあるのかも知れませんね。
それまで身に着けた技法を捨てて(とは言い過ぎかもしれませんが)、新たな手法でアイデンティティを確立するには、現代は何かとせっかちすぎるような、結果が早く求められるようなきらいもありますが、それでも自身の思うところを追求していく猪熊さんの姿勢には刺激を受けます。

絵美さま
そうですね、抽象にかわっていくのは確か50を過ぎてからだったと思いますが、
時代背景、住環境や自分の身体的なことなど いろいろな要素もあっての変化で、それはそれで
自然なことなのかもしれません。
オーディエンスは残酷なもので、前の方が良かったとか言う人もいますが、そんな事には頓着なく
我が道をゆく猪熊さんの勇気と探究心には尊敬の念を覚えます。