マダムX

私の一番好きな絵は「リリー、リリー、カ―ネイション、ローズ」
だと言うと きもの友達のR子さんがメールで画像を送ってくれた。


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そうそうこの絵です。R子さんありがとう!
この絵の作者はジョン・シンガ―・サージェント。

学生時代にこの絵を見て目が釘付けになった。
昼と夜の間の曖昧な時間、少女達が提灯に灯りを灯している。
夕闇迫る中、ボーっと光る提灯は何とも神秘的で不思議だ。
ユリやバラの香りが絵からむせ返ってくるよう。
10代だった私は、この頃のヨーロッパ画壇に影響を与えていた
ジャポニズムの事など露知らず、ここに描かれているユリが
日本から輸出した山百合であることも後で知った。
全く何も知らぬままに、ただただこの絵の持つ雰囲気に惹かれた。

サージェントの他の作品を見てもこれ程惹かれるものはない。
だが、代表作と言われている「マダムX]は、その作品というより
その作品にまつわる逸話に興味が湧いてしまう。
その絵の婦人が人妻であるのにあまりに官能的であった為、
スキャンダルになってしまったのだ。

画家にとって絵は言葉に等しい。
いや時には言葉よりももっと雄弁に描き手の心をさらけ出して
しまったりする。

むか~し昔のことだが、片想いの人がいた。
その想いを本人に告げることなく絵に込めて描いた。
その後、個展に来てくれた彼がその絵の前で
「この絵が一番好きだ」と、言ってくれたのを聞いた時に
心の深い深いところの塊が溶けて、解放されてゆくのを感じた。
魂のレベルで想いが伝わったのを感じた。
もう、それで十分だった・・・。

どんな絵にも物語がある。
表面に現れていないかもしれないが描き手の深層がどこかに
垣間見えたりするものだ。
見る側はそこに何かを感じて共感するのだろうか?

その絵を見る度に彼の事を思い出すが、今はそれよりも
その時の自分の情熱を懐かしく思う。
想いもまた 風化してゆくものなのだな・・・。




コメント

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「リリー、リリー、カ―ネイション、ローズ」見ていると大陸の輝きの季節、花の香りがしてきそうな絵ですね。
絵画や風景や音楽って、人それぞれの記憶とすごく密接につながることがありますよね。すいれんさんの青春時代、どんなお顔をされていたのか興味が湧きました。
ホントなら去年今年あたり友だちらと積み立てたお金でNY行って、メトロポリタン美術館へどっぷり鑑賞三昧やるつもりだったんですが、いまだ計画がたってません~!
ウワサの「マダムX」観るならやっぱりNYで、と思っております~。

tomokoさま
私はこの「リリー、リリー、カ―ネイション、ローズ」は偶然にもパリに行った時、テイト美術館で原画を見ました!もうその興奮たるや、暫くその場を動けませんでした。心ゆくまで目に焼き付けました。たぶん1時間くらい絵の前にいたのですが、周りには誰もいなくて不思議な時間でした。 

メトロポリタン美術館、いいですね~。
なんか外国の美術館て日本と違って解放的な感じがするのは私だけかな?

ありがとうございます!

この絵は見たことはありましたが、作家の名前を知りませんでした!
調べてみましたらフラメンコやヒターノを題材にした絵も描いているようですねぇ。
今の私にはとても興味深く、じっくり見てみたいと思いました。
やはり本物の持つ力というのは、すごいものがありますよね。
また一人、絶対本物を見たい!と思う画家ができました。

りらさま
そうでしたね、りらさんはフラメンコを歌っていらしたんですよね。フラメンコ、若い時習ってみたい踊りの一つでしたが、この外反母趾の足では・・・。
フラメンコの歌って節回し(?)がちょっと日本の歌に通じるものがあるような・・・。実際には難しいのでしょうが、あの手を叩く(又はカスタネット)がいいですよね。
ああいう情熱的なの憧れです。

こんにちは! いとも簡単にメールやケータイで相手に想いを伝えることができちゃう現代において、言葉ではなく絵にあらわし、相手に想いが伝わる・・・なんて、ドラマ以上の感動です。私にもそういう才能があったらなあ、、、。(ま、今さらそういう才能が身についても発揮する先がないですが 笑)
メトロポリタン美術館、MOMA、グッゲンハイムは20代のころ行きました。ホント欧米の美術館はゆーったり観られて、絵と「対話」ができるような気がします。

絵に込める思い

すいれん様、

「リリー、リリー、カ―ネイション、ローズ」こんどゆっくり見てきますね、原画は私も初めてなので。

 すいれんさんの思いの込められた絵、青春の大切な思い出のエピソード、心が温かくなりました。 

一時私も絵を描いていました、水彩ですが、情熱を込め、気持ちを込めて書いた絵は今自分で見ても当時の心の動きや気持ちが蘇るような気がして懐かしいです。 何事にも情熱って大事ですよね。

絵美さま
男っぽい性格なのに乙女チックなところも、あるんですね。アハハ。 

凄~い、素敵な美術館に、しかも20代に・・・。さぞ良いインスピレーションをたくさん貰えたのでは。
ほんと、欧米の美術館はゆったりしていて好きです。ってそんなに行ったことないですが・・・。

ルリ子さま
ルリ子さんのお陰でいろいろ思い出が蘇りました。ありがとうございました。

そうですね、何でも情熱って大事だと思います。情熱があれば、人生数倍楽しめますよね。だんだん歳をとると枯れてゆくのでしょうが、好きな事への情熱だけは死ぬまで持ち続けたいです。