納得

若い頃には、アーティスト気どりでヨウジ・ヤマモトの服を
好んで着ていたものだが、当時ほとんど「黒」づくめで
まるで、未亡人みたいだった(笑)

ある時、友人が着ている美しい色の服に私は初めて、ヨーガン・レール
という名を知った。
その色彩感覚から「ヨーガン・レール」というのは、ブランド名で
日本人のデザイナーさんだと思いこんでいた。
衿の打ち合わせ方やアジアンテイストの柄が、そう思わせたのかも
しれない。

その後、急速にヨーガン・レールのファンになった。
ちょうど世の中も、それまでのボディコンスーツに疲れてきた頃だった
かもしれない。
女性が通勤にヒールをぬいでスニーカーを履くようになった。

ヨーガン・レールの服は見た目のカッコ良さよりも身体に優しい服を
追求していた。
布のディテールや人の手仕事にこだわった服作りをしていた。
だから、価格的には決して安くない。
でも、流行がないし素材も良いので、長く着られる。

恥ずかしながらヨーガン・レールが人の名前でしかもドイツ人だと
知ったのは、結構最近のことだ。
彼は下町に住んでいて、本社も清澄白河にある。
何年か前に本社の1階が、ババグーリと言う店になった。
ババグーリは、服だけでなく生活雑貨も取り扱っている。

その本社の社員食堂がおいしいと評判になり、レシピ本まで出来た。
彼の「体に良くて おいしいものが食べたい」という一言から
始まったのだそうだ。
沖縄に無農薬栽培の農園を作り、そこの野菜で本社の食堂の料理を
作っているのだ。

知れば知る程、納得できた。
つまり、何で私がヨーガン・レールの服が好きか・・・という事に。
色や形や素材だけではない。
彼の服には彼の生き方が反映されているのだ。
彼はアジアの諸国に布を探しに行く。
布の織り手を探しに行く。
木の器や家具、陶器、鉄、etc,etc。
彼の感性にピンッときたものを、発掘してくる。
でも 一環しているのは、そこに必ず、心地好さを追求していることだ。
そこには、安らぎがある。
自然を壊さずに共存してゆく精神みたいなものが感じられる。

「土に還らないものは、つくってはいけない、仕事でも生活のシーンでも
環境を考えることが重要です」
と、彼は言う。
この言葉は、今、とってもとっても深い。





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今の季節に重宝する、
からし色の紬のコート。
写真では分かりにくいが
裏は微妙に色の違う綿の
ストライプ。

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綿の糸くずから作った
セーター。
形が面白い。
上下を逆に着ると、
ループがウエストに
きてカシュクールに
なる。

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「ヨーガン・レールの
社員食堂」のレシピ本。

コメント

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すいれん様

ヨーガンレールの服とっても似合っていて、いつもすてきだなぁと思っていましたよ。

こんにちは! 私も知りませんでした。ヨーガン・レールがドイツ人で、しかも日本在住だなんて!

絵や音楽、着物もそうだと思いますが、作品には「お人柄が出る」ってよくいいますよね。もちろんその方の生き方も含めて。
社員食堂のお話を拝読しますと、彼個人だけではなく、「社風」も作品に十分、反映されているのだろうなあと思います。

それにしても、昔は本当に黒が流行りましたよね。顔色悪く見えていただろうなあ・・・。洋服のトレンドが多様化してきて、メイクは逆にヌーディなスタイルが流行ってきたかも、なんて昔を思い出しています。

みっちゃんへ
ありがとうございます。
色のトーンが、派手すぎないのでキレイな色でも、大人の女性向きなのかもしれません。

絵美さま
やっぱり?知らないわよね~。私なんか10年位、着てても知らなかったんだから(笑)
でも、彼の服はきものに通じるものがあって手仕事に拘るところは、まさに、です。
先日も紬のチュニックを見つけてしまって、あぶなく買うところでした(笑)まだ、宮古ちゃんの積立中なのでこの春夏は我慢の子です。まあ、きものよりずっと安いけどね。