スミレ

スミレの花は大好きで、毎年のように描いていた。
この絵は植物画として描いた最後のスミレ。

近所を散歩していた時、誰かに呼ばれた気がして振り返ると
そこに、タチツボスミレが群生していた。
淡い紫色が、木漏れ日を受けて輝いていた。
小さなスミレ達は口々に「私を描いて」と、言っているようだった。
私は急いでスケッチブックを取りに戻り、夢中でペンをはしらせたものだ。

ただ、この頃はいわゆる「植物画」という規制の多い描き方が窮屈に
なってきていたので、意識して手前の花をハッキリと、奥の花を少し薄くした。
その中に目で見えるスミレの姿と目には見えないが、私を呼びとめたスミレの
エネルギーみたいなものを描きとめたかったのだ。

将来、植物画を卒業して全く違う絵を描くようになろうとは、思っても
みなかったが、この時にすでに、その種は心の中に着地していたのかも
しれない。

ところで、スミレは今年の春に群生しても、同じ場所にずーっとは
留まらない。2,3年すると、突然消えてしまったりする。
そんな気まぐれなところも、自分と重なって好きなのかもしれない。

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コメント

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いい絵ですね。スミレの生命力を感じる絵。(お写真で拝見してると、そのまま塩瀬の帯になりそうな・・・)
我が家は二人してスミレのファンです。ノジスミレだの、タチツボスミレだの、相方は葉っぱの形からすぐに見分けてますが、私はいつまでたっても、ただスミレとだけしか覚えられなくて(笑)。
ときどき、まるで人のお庭から逃げ出してきたように、路地の片隅に生えるスミレがことに好きです。

あ!「オーケストラ」、iTunesで検索してみたら購入もレンタルもあったので、時間のあるときに見てみようと思います~!!

tomokoさま
スミレが好きな男性って素敵ですね。主人なんか、雑草としか思ってませんから(苦笑)本当にスミレは種類が多くて、覚えきれませんが、エイザンスミレというのを一度、見てみたいです。比叡山にはえているらしいのですが・・・。図鑑には淡紅色で芳香がある、と書いてありました。

こんにちは! 私もTomokoさんと同じく、「こんなお太鼓の帯があったら・・・」と咄嗟に思いましたよ。この青とも紫ともつかぬ、まさに「スミレ」色にはどことなく、儚さを感じます。
群生が突然消えてしまうこともあるのですね。幸せの青い鳥じゃないけど、幸せな場所を求めて彷徨っているのでしょうか・・・。

絵美さま
さすがに皆さん、おきもの好きとあって、帯の柄になっちゃうんですね(笑)
確かに「幸せ」を求めて彷徨うのは、生きものの習性かもしれませんね。