優先席のため息

先日、日比谷線に乗った時、いつもは優先席には座らないのだが
その日は荷物も多く、そこしか空いてなかったので、つい座っていまった。
私が座ると同時に左隣に若い女性も座った。
右隣は60代くらいの痩せ型の男性が座っていた。

座って間もなく、女性は携帯電話を取り出してメールし始めた。
その時、私は右の男性の「ハァー」という小さなため息を聞き逃さなかった。

それから何分たったのか、男性がカバンの中から派手なトリコロールカラ―の
ノ―トを取り出し、あるページをめくると、私を越えて左の女性の前に
それを無言で差しだした。

チラッと盗み見ると「私はペースメーカーをつけています。携帯電話の使用を
止めてください」と、いうような事が書かれていた。
女性は慌てて、携帯をバッグの中にしまった。

次の駅で、若い男性が私達の前の席に座るやいなや、携帯をいじり始めた。
再び隣のおじさんの「ハァー」というため息。
それから何分か後、おじさんは立ち上がり、あのノ―トを出して若者に見せた。
若者は「あ、すみません」と言って携帯をしまう。

若者が降りた後に座ったのは中年の男性。
彼もまた、即座に携帯のメールを打ち始めた。
私もおじさんと一緒に、ため息をつきたくなった。
今度はおじさん、額に手をあて頭を左右に振りだした。

しかし、すぐにはあのノ―トを出さない。
明らかに数分計ってる感じ。
そうか、メールを打っても駅に着かないと送信できない。
その電波がペースメーカーに悪影響を与えるのか?

前の男性はまだ、携帯を使っている。
再びおじさんは立ち上がり、あのノ―トを提示した。
それを見た時の人々の対応は一様に同じであり、彼らは決して悪気があって
携帯を使用している訳ではない。
つい、うっかり・・・という感じだろうか。

私達の生活に携帯電話やスマートフォンはあまりにも、密接になってしまった。
電話やメールだけでなく、インターネットやゲーム、手帳、カメラ等、色々な
役割を担ってまさにこれ一つあれば、という時代。
だが、ルールは守りたいものだ。
あの気の毒なおじさんの姿を思い出すと、痛切にそう感じる。
今日も彼は、あのノ―トを提示しているのだろうか・・・


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コメント

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ルールはお互いに気持ち良く過ごすためにあるのですものね。前に「今のペースメーカーは性能が良くなって携帯などの電波の影響はうけない」と聞いたことがありましたが、そんな事はないのですね。
その方が、電車に乗る度のストレスはきっと大変なものでしょう。
ルールは守らなければ・・・

みっちゃんへ
本当に気の毒でした。彼は毎日、あれを何回繰り返しているのでしょう・・・。
そういえば、ことばを一回も発してないのですよね。もう同じ事を言うのもいやなのでしょう。手帳に書くというのは、彼の苦肉の策なのでしょうね。

う・・・何度となく私もやっていました。優先席の側に立っていた時も・・・。
そうですね、このようなおじさんがいらっしゃることを自分なりに忘れずにいたいものです。反省しきり。

tomokoさま
いえいえ、私も以前やった事があるのです。それから優先席には、なるべく座らないようにしてます(笑) 本当にうっかり、忘れちゃうんですよね。