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きもの文化と日本

先日の中谷比佐子先生のきもの寺子屋で風水にもお詳しい
先生がおっしゃるのに、今年は一白水星丁酉で水の年なのだそうです。
水は経済を表すそうで、水は溜め込むと淀んで腐りますよね、循環
させないと。
「だから今年は溜め込まないでください」とのお言葉に会場の一同
う〜ん、きものを買う口実が出来た、とにんまり・・・

したかどうかはさておき、今年は経済に意識をもって物事をみて
ください。とおっしゃってました。
そこで思い当たったのが、あの方。
今週金曜日にアメリカ大統領に就任するトランプさん。
彼は歴代の大統領に比べると型破りですが、実業家としてみると
少しは理解出来るのでは?
しかし大統領たるもの理想を掲げてなるものですが、あんまり損得勘定
だけで動かれてもなぁ・・・というのが正直なところですが。
さてさて今年は「えっ?」という事が起きそうな世界情勢ですねぇ。

きもののことも今までただ好きというだけで、あまり経済的観点から
みたことがなかったのですが、こういう本を読んでみました。

きもの文化と日本

「きもの文化と日本」 日経プレミアムシリーズ
経済学者の伊藤元重氏と「きものやまと」の代表取締役会長の矢島孝敏氏
の対話形式で書かれた本です。
「日本人はなぜきものを着なくなったのか?」「ルールは本当に伝統なのか?」
「なぜ、きものは高いのか?」など私たちが疑問に思っていることがズバリ
書かれていて面白かったです。

なかでも古来、きものは自由なもので今のような「しきたり」が出来たのは
ここ40年のことだそうです。確かに私の祖母の時代はきものが普段着でしたから
今よりもっと自由に着てましたもの。(寒けりゃ重ねるし、暑けりゃ脱ぐし)
きものを特別なもの(フォーマル)にしていったのは、売る側の戦略だったり
したのですね。
訪問着を作ったのは三越百貨店だったって知ってました?
大正4年、洋服が流行り出した頃、きものを売らんとする戦略だったのですね。
ところが、結局それが敷居を高くしてしまい、きもの離れの原因にもなったり
した。と、矢嶋さんは指摘します。
矢嶋さんは、ずっときもののファッション化、カジュアル化、アパレル化を
目指してきたパイオニア的存在です。

今の若い人達がゆかたを、いろいろ工夫して着て楽しむ姿を私達世代はもっと
大らかに見てあげなければ、と反省しました。
いつの時代もファッションリーダーは若者たち。
まずはきもの体験(ゆかたが一番手頃ですものね)して、そこから興味を
持ってもらわないと、きものの未来はないのかもしれない。

後は売る側も「伝統」にドーンとあぐらをかいてないで、努力してもらいたい
ものです。これだけ流通が変化したのだから産地と直結で売るとかもっと
コスト削減を真剣に考えてほしいものです。
また正絹あり、銘仙あり、綿あり、ウールあり、ポリエステルあり、もっと自由に
のびやかに。
お誂えあり、レンタルあり、古着あり、と消費者の選択肢を広げて(もちろん
コストを下げてね) これだけ洋服も多様化しているのだから、きものも
旧態然としていては取り残されてしまう。
「今はフォーマルの場でも自分なりのおしゃれをしていけばいい」という
矢嶋さんのお考えには大賛成です。

最後にこれも「きもの寺子屋」での中谷先生のお話で印象に残っているの
ですが、昔、先生がジャーナリスト時代にピエール・カルダンときものの
コラボという企画が持ち上がった時、結局 最終的には実現しなかった。
と言うのもカルダンがきものは布の捨てる部分が2%しかないと知って
(洋服は40%)「私ごときがきもののデザインをするなんて、何とも
おこがましい」と言ったそうです。
彼はきもの文化の素晴らしさに敬意を表したのですね。

作り手も売り手も、きもの文化に誇りをもって、そして継続してゆく道を
探ってゆかなければ。
そして着る私達大人世代は楽しく自由にきものを着て若い人に「ほら、
きものはこんなに美しくて素敵なのよ〜」とお手本をしめさねば、と思った
のでありました。