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思い込み

先日「永楽善五郎展」に行ったことを書きましたが、実はその時
気付いたことがありました。

美しい器の数々を見ながら、何だかとっても懐かしかったのです。
なぜだろう?と、よくよく考えてみると、記憶は子供の頃までさかのぼり
その時 「あっ」とすべてが腑に落ちました。


母の壷


実家は日本料理の店をしていたので、父母は時々 京都まで器の
買い付けに行っていました。
その時、私も度々連れていってもらいました。
子供には永楽も乾山も分かりませんが、その頃から本物を見ていたのです。

お店の名前は忘れてしまいましたが、目の前に並べられる美しい器たちを
ただただ綺麗だな〜と、眺めていました。
夏には夏の、冬には冬の、小さな器の中に四季がありました。
器に限らず画廊や展示会にも連れていってもらいました。
(但し、大人しくしていないと叱られましたが・・・)
そんな環境で育ったことが今の私を作ったのだなぁ、とつくづく思います。


母の漆の器


商売屋ですから母が忙しくて、誕生日もクリスマスもなかったし、遊園地にも
動物園にも家族で行ったことがなかった。
一時は両親を恨んでいたこともありました。

でもこの歳になって、普通の子供が行かない様な所へ随分連れていってもらって
たのだと遅ればせながら気付いた訳です。
感謝こそすれ、恨むなんて申し訳ないことをしました。


母のガレのランプ


本当に今頃になって気付くなんて遅すぎますけど気付かないままで
死んじゃうよりは良かったかな?

「不幸な子供時代だった」と思い込んでいたのが、実はまったくその逆だったと
分かって一番嬉しかったのは私自身ですから。
過去の否定的な思い込みって、自分で自分を狭い所に閉じ込めているみたいなものですね。


*写真は母が大切にしていた物たちです。