哀愁のカラムシ

昨年9月に一目ぼれして、山本きもの工房さんに
お仕立てをお願いしていた宮古上布が仕上がってきた。
そう、あれから8カ月。
「上布積立」を始めて、コツコツ、コツコツ。
時には挫折しそうになりながらも、元来の生真面目が
幸いして(?) めでたく宮古ちゃんをお迎えに。

深~い藍の地に並ぶ絣柄は、決して華美ではないが、
人の手作業の美しさに感嘆するばかり。
宮古上布の原料となる苧麻(ちょま)は、イラクサ科の
多年生の低木で別名を「カラムシ」という。
カラムシ・・・何とも魅力的な響き。

琉球藍は本土の蓼藍とはまた違った、独特な黒味を帯びた青。
藍作りは、かなり重労働で、今では生産者も減ってきたそうな。
そのうち、いなくなってしまうのかもしれない。

染色だけではない。
糸を績み、織るという高い精度を要求される気の遠くなる作業は
かって人頭税と呼ばれる、過酷な沖縄の歴史をも包括して
その美しさは憂いを帯びている。

「蝉の羽根」と称される宮古上布の信じられない薄さ、軽さは
そのまま その儚さと繋がって「滅びの美学」を奏でているようで
手を通す前から、愛おしさを覚える。

さて相変わらずの山本さんのきめ細やかなお仕立て。
これもまた、布を愛してやまない彼のこだわりが、随所に
散りばめられていて、私の宮古ちゃんはまさに芸術品となって再誕生した。


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このきもの、僅か
320gしか
ないのです!


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この日のきものは、
久米島紬と
島仲由美子さんの
グンボウの帯。
南の島の最強デュエット