「制作の日々・・・の続き」


1月26日付けの「制作の日々・・・」で、グチのような事を書いてしまい、
反省すること頻りであるが、やっと作品が絵として完成してきたので、つまり
苦しいところを脱出したので少し余裕がでてきた。

「カサブランカ」を描いているのだが、これは長年描けなかった花。
なぜなら亡くなった母が好きだった花であり、病室に必ず飾られていた花だから。
いつかは描こうと思っていたのだが、今回展覧会騒ぎでパッと浮かんだのが
この花。その時、なぜか母の事は思いださなかった。
すぐさま花屋に買いに走り、夢中で下絵を描き、そしてほぼ完成した今になって
「あ~そうだ、これお母さんの好きな花だった」と、思い出した。
それだけ年数がたったという事なのか、心の封印が解けたのか。やっとこれで
大事な事が一つ、終わった気がする。

それにしても、この絵は母そのものみたいだと思った。
大輪の白い花は凛として品がある。どんなに大変な時も長年のリウマチの
痛みにも、父と別れた後もグチ一つ言わず、いつも前しか見ていなかった。
あまり母性の強い人ではなかったが、戦中、戦後の混乱の時代を、その美貌と
男勝りの性格で生き抜いた母の生きざまが、今更になってこんなにも私の
心の奥底に刻みこまれていようとは、自分でも驚きだ。

強い人だったのだな・・・でもきっと寂しかった筈。などと思い出しながら
ふと、「親孝行、したい時には親はなし」というあの常套句が頭に浮かんだ。

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「カサブランカ(部分)」