赤の効用

今年の最後に惹かれた色は、何と「赤」でした。
何と、と書いたのは今まで そんな事は一度もなかったからです。
今年の始めに赤いロングカーディガンを買ったのですが、それは
還暦を前にいわば 「赤いちゃんちゃんこ」的な魔除け的な気分
でした。しかも赤といっても、黒い毛糸も混ざったオレンジ系の赤で
真っ赤とは違いました。
しかし、今回はこれぞ「赤」という色で自分がこんな色を着る日がくる
とは、ビックリです。
人って変わるんですね。


赤のカーディガン


買ったのは 「a.」 私達世代には懐かしい大橋歩さんのお店です。
そう、あの平凡パンチの表紙をずーっと描いていた方です。
70代になられたそうですが、現役でこういうお仕事をなさっているとは
嬉しいです。「a.」はほぼ日の糸井さんなんかともコラボしていて、
おしゃれな普段着があるので、時々ネットで眺めていたりしてました。

さて、それで思わず買ってしまった赤いカーディガンですが、これが家族や
友人の反応が良かったんです「若く見える」って。
だから気持ち良く着れています。(笑)

赤の心理的効果は活力を感じ、気持ちを前向きにさせる。
アドレナリンを分泌し興奮を促す。
熱や暖かさを感じる。

どうりで何か元気をもらえる気がしました。
今の自分に必要な色の様な気もします。

それで、絵の中にも「赤」を描いてみました。

       絵、部分
       これは、絵の部分です。

墨に赤が加わると(金も使ってますが) これが、おめでた〜い感じ
になるんです。お正月にピッタリだなぁ。

昔々から 赤は特別な色だったのだろうな・・・なんてことを
考えながら迎える年の瀬です。



今年もたくさんの方にブログを読んで頂き感謝の気持ちでいっぱいです。
皆様にとりまして来る年が幸多い年となりますように、
どうぞ良いお年をお迎えください。



秋色遊び

昼間はまだ、暑い日もありますが朝晩冷えて、その寒暖の差が
秋色を作ります。


落ち葉

自然の中の秋色は美しい。



吹き寄せを木箱に

吹き寄せを木箱に詰めて・・・



焦げ茶紬に冨田帯

きものも、こんなこっくりした色が着たくなりますねぇ。



秋色ストール、3

最近、持ち歩くストールはこんな色。
洋服でもきものでもOKです。



秋色ストール、2

もう少し、季節が進めばこんなストールも。
フランス人の作家さんの手編みなのに、きものにも合います。



自然の色には勝てないけど、目一杯秋色を纏って楽しみます。
季節はあっという間に、過ぎていってしまいますからね。






幸せの白いTシャツ

考えてみると、若い頃から着て未だに着ていると言う事は
私は白のTシャツが好きなんだなぁ〜と、今さら気付きました。
白ってなんかこう、新しいことをやる時とか、気持ちのいい時とかに
着たくなる色です。

白いTシャツには拘りがあります。
首はなるべく開きの大きくない詰まった丸首。
あんまり身体にフィットしないストンとした形。
つまり女性的なのは、駄目ということになります。
それでコムデギャルソンの普通の白のTシャツを愛用している訳です。

でも、最近は母の日に貰った「ハリウッド・ランチ・マーケット」の白T
(これは七部袖で重宝してます)とか、首のところが断ち切りになっていて
そこが、クルンと丸まった「evam eva」のTシャツがお気に入りです。
「evam eva」のは オーガニックコットンなので、まっ白でなくてオフホワイト
というのでしょうか、優しい白です。

白いTシャツはちょっとでもシミを付けると目立つのですが、でも今は
いい漂白剤があるので大丈夫。
洗濯して日に干した白Tを着る時って、お日様のにおいがして「幸せ」を
感じる瞬間です。

ダイアン・キートンという女優さんが、よく映画の中で白のTシャツの上に
白のセーターをはおってたりするんですが、あれ 憧れなんです。
白いセーター買っちゃおうかしら・・・なんて いつも思うのですが、残念ながら
まだ良い出会いがありません。

歳を重ねてきて着る白って ちょっと努力がいるんですね。
お肌もだんだんくすんできますから・・・でも、70,80歳になって白のTシャツを
うまく着こなせたらカッコイイと思いません?
髪も白くなってきて ちょうどいいかも。
もちろん、ボトムはブルーかブラックのジーンズで、スニーカーはいて。
な〜んて考えると、だんだん楽しくなってきた。
白いTシャツの似合うお婆さん、めざします!(笑)



DSCN1838.jpg








月の光、今も・・・

いつ頃から月光荘のことを知ったのかは、定かではないのですが
学生時代、銀座6丁目のタイメイ小学校前のお店に行く足取りは
いつも軽く、銀座という場所柄も手伝って、なんだか凄くお洒落な
気分だったことは今でもとても良く覚えています。
(今は8丁目の花椿通りに越しました)

スケッチブックは月光荘と決まっていました。
背ぐるみ表紙で赤、青、黄、黒、緑、桃の6色。
真ん中に小さく控えめにトレードマークの「友を呼ぶホルン」が
描かれています。


       月光荘、スケッチブック
       右側は41年前に使っていたもの。左は最近のもの。


「月光荘のスケッチブックは日本中のどこでも溢れています。
 そして愛されています。
 胸にかかえて抱きしめて 恋文といっしょです。
 色も上等の紙もすてきなら うんと安いこともすてき
 夢も詩も
 あの日の想い出も みんなまとめてめんどうみましょう
 どっきりするほど 楽しいスケッチブックです。」

これが宣伝文句。
なんか楽しい・・・。

大正6年創業。
歌人の与謝野鉄幹や晶子夫妻が創業者の故・橋本兵蔵を可愛がり
「大空の月の中より君来しや ひるも光りぬ 夜も光りぬ」と詠んで
月光荘と名付けたのだそうで、封筒の切手を貼る所にこの歌が
ちょこんとおすまししています。
私はいつも切手で、これを隠してしまうのがもったいなくて、ずらして
切手を貼ります。

       月光荘、便箋と封筒
       便箋と封筒



絵の具もオリジナルのもの。
中でも白の革命といわれるチタン・ホワイトの発明は画期的であったと
思います。(1952年)
「白は清浄 あらゆる色を彩る。
 黒は厳粛 あらゆる色を深める。
 それが色の哲学です、真理です。」

月光荘がチタン・ホワイトを発明したのより遅れること10年、ニュートン社も
純粋のチタン・ホワイトの製造に成功したそうです。
ターナーやニュートンに負けない凄い絵の具が、実は日本にもあったのです。

未だに月光荘があることが、変わらずスケッチブックや絵の具があることが
私にはとても嬉しいのでした。

「どこからのっても 銀座
 なににのっても 銀座
 ミニは88歩 ジーパンは69歩
 ほら
 絵の具の匂い 月光荘。」
(41年前のスケッチブックの表紙の裏に書いてあった言葉です)


       表紙を開くと・・・
       表紙を開くと裏にいろんなことが書いてあって楽しい。
       今も変わりません。

       「空に絵筆で 落書きした
        夕立がきて えのぐが流れて
        虹になった」




<おまけ>
       未来の子供?
       35年前にスケッチブックに描いた絵です。
       当時、長女を生んだ頃でしたから、きっとこんな少女に
       成長してほしい、と思いながら描いたのでしょう。










憲法黒が生まれた所以

タロットの小アルカナは、数カード40枚と人物カード16枚
から成ることは前回書いた。
今は数カードの「稲穂」のスートを制作中だが、同時に
人物カードの資料になりそうな本を読み漁っている。
もとよりきものや布好きな私のこと、昔の人の衣装を調べると
興味深いことが多く、本筋を忘れて読みふけってしまう。
昔の人はなんとお洒落だったのだろう。
毎度、書いているがそれには驚嘆するばかり。

たとえば江戸風俗図鑑というのがあるのだが、その中の
よし原に通うダンナの出立ちなど「長羽織は黒無地の八丈と
黄八丈を重ね、花色縮緬のすそ回しをつけたお納戸茶の小袖を
着て、右手で褄をとり、らせん絞りと紅鹿子の襦袢を見せる。
その下には長羽織と対の黄八丈の下着。黒縮緬の大阪頭巾を
襟に巻く。緞子(どんす)の帯に脇差しを落差し、足袋は
はかずに、髪は本多マゲで決める」とある。(下写真)

IMG_0497.jpg
「江戸よし原などへ通ふたはれ男時の人通人と称す
 かさね羽織著たるさまなり」江戸風俗図巻より


もしこの様な男性が目の前にいたら、私はお願いして
そのきものに触りまくるだろう(笑)
かっこいい!
本当に昔のダンナはこんな出立ちでよし原に通ったの
だろうか・・・?


ところで四拾八茶百鼠というが、黒もまた欠かせない色
だったようだ。
ただの黒ではなく藍染めの後、楊梅(やまもも)で染め
鉄媒染で楊梅の茶色の色素を黒くすると、底色にある藍を
感じさせる「藍下黒」(あいしたぐろ)になる。
この染め方が「憲法黒」である。

それを生み出したのが吉岡家。
吉岡家、もとは武士に剣術を教える兵法師だった。
足利将軍に仕え、後に織田信長、豊臣秀吉に仕えたという
筋金入りの剣術師。
それが、宮本武蔵に道場破りされ(決闘したという説もある)
剣を捨て染屋に転向した。
豊臣方についた吉岡家は剣を捨てざるを得なかったという説も
ある。
なぜ剣を捨てたか、伝説はいろいろあるが、ともかく
江戸初期に吉岡家は染屋に転向し、この「吉岡憲法染」
(又の名を憲法黒)が大変、流行したと記述にあるので
もし、宮本武蔵が勝たなければこの「黒」は生まれなかった
のだろうか・・・? などと またもや妄想が膨らんでしまう。

きもの1つ、色1つにも歴史やロマンを秘めたこの興味深い
探求は、始まったばかり。
さて、16枚の「人物カード」はどの様な絵札となるのか?