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タロット「擬似的家族関係」

12月になると、必ずどこかのチャンネンルで放送されるのが
「四十七士」
この主役となる大石内蔵助良雄が、人物カード「稲穂の帝」の
モデルである。
それにしても日本人は「忠義」という言葉に反応する民族のようだ。

主君の為に自分の命を投げ打っても仇をうつというのは、いかにも
日本人的発想だと思うのだが外国にもそういう話はあるのだろうか?

ちょっと調べてみると、欧米は主君と家来は契約関係が主だったり
中国や朝鮮では家来の忠義を示す範囲と免責規定が存在したらしい。
つまり世界の中で日本の主従関係が、かなり特殊であったようだ。

「血縁を重視しない擬似的家族関係」という言葉を何かの本で読んだことが
ある。
確かに歌舞伎や文楽でも忠義の為に自分の子を身替わりに差し出すお話
というのは多い。
そして観客はそれを観て涙する。

んー、重い。
このどうしようもなくウエッティー、というか情緒的な文化は日本の気候風土
に由来するものなのだろうか?
それとも、これが日本という国の質なのだろうか?


タロット、花魁と赤穂浪士
人物カード「稲穂の帝」と「稲穂の局」


「稲穂の局」は花魁がモデル。
これまた重いのだ。
一見、華やかでスターの様な存在の花魁だが、貧しい家の娘が売られて
きた、というのが殆ど。
高級な花魁になれるのは数百人にひとり、茶道、華道、香道、三味線、琴、
歌、囲碁、将棋、和歌、文芸等々厳しく躾けられ、絶えず自分を磨きあげた。
虚と実が交差する苦界と呼ばれる廓の中ではたして女達が幸せを感じる事は
あったのだろうか?

そんな重いこの2枚の人物カードだが、先に紹介した「八百屋お七」(姫)と
「町火消し」(彦)と合わせて稲穂のスート(江戸風)の4枚が完成した。
いずれも和のタロットカードに相応しいモデル達だと満足している。






タロット「世の不条理か、相対性理論か?」

前回タロットのことを書いたのは、今年の2月だったのにはビックリ。
あれから、8ヶ月もたってしまったのですねぇ(反省)

さて人物カード、「勾玉の局」については、雪女をモデルに
したものである事は前回のタロットのカテゴリで説明済みなので、
今回は「勾玉の帝」
これは絵を見れば一目瞭然。 浦島太郎がモデルとなっている。

浦島太郎の話は、未だによく分からない。
なぜ乙姫は、玉手箱をお土産にくれたのか・・・?
いじめられている亀を助け、竜宮城に連れていかれ、盛大な接待を
受けるが地上に戻れば知り合いはすでになく、玉手箱を開ければ
老人になってしまう。
つまり亀を助けたのにも関わらず、良い思いをしたのは竜宮城に
いた間だけ、後は孤独な別世界に放り出される過酷な運命。

このおとぎ話はいったい何を伝えたいのか?
良い行いをしても、良いことが返ってくるとは限らないというこの世の
不条理を現しているのか?

「ウラシマ効果」というのをご存知だろうか?
物理学者アインシュタインの相対性理論によれば、運動している物体の
経過時間は静止している物体の経過時間に比べて相対的に遅くなる。
日常的には分からないが光速に近づくと顕著になる。
その為 光速に近い速度の宇宙船にのって宇宙旅行して帰還すると
地上では宇宙船の何倍もの時間が経過しており、宇宙船の乗組員は
さながら浦島太郎の様相を呈することから、日本ではこの効果のことを
ウラシマ効果と呼ぶ。(ウィキペディアより)

と、言う事は浦島さん、海の底の竜宮城だと思っていた所は実は
異星だったりして?

ともかく、このカードでは、このお話の一番見せ場(?)である煙を
浴びて白髪になる姿を描いた。
さて、タロットでこのカードをひいてしまったら、これをどう解釈するんで
しょうねぇ、ミケさん?


   雪女と浦島
   タロット人物カード「勾玉の局」と「勾玉の帝」





*絵の著作権は朋百香にございます。
  無断掲載、転写は固く禁じます。










タロット・雪女

昨日の雪
昨日の雪景色



何年か前になるが、私は夢で雪女と約束をした。
私の願いを聞いてくれるかわりに、私は彼女を絵に描くと。
夢の中のことではあるが その約束がずーっと頭のどこかに
あった。
友達に「タロットの中に描いたら」と言われてはいたが
はて、どのカードに描いたものか・・・。

そうこうしているうちに、タロットは進んでゆき人物カード
(16枚)の「勾玉の局」に雪女がうってつけだと気付いた。
人物カードなのに妖怪はおかしい、と言われそうだが
勾玉のスートはテーマが「おとぎ」
登場人物はすべて「桃太郎」「浦島」とか昔話から選んで
いるので「雪女」も許されるだろう。

1月に入ってから描き始めたが、なかなか筆がすすまなかった。
が、奇しくも関東では何十年ぶりという大雪の夜に完成をみた。


戸口に佇む雪女

さて、このカードの場面は降りしきる雪の中「人に話してはいけない」
と言ったのに夫が雪女に会った話をしてしまい、正体を表した
雪女が夫と子供を置いて家を出て行くところ。
本や映画では雪女は怖く描かれることが多いが、私は彼女を「女」と
して描いた。
夫や可愛い子を残して去る身の辛さは妖怪とて同じではないか。
後ろ髪をひかれる想いで、戸口にしばし留まる雪女。
しかし、やがて一陣の風と共に彼女は雪の中へ消えてゆく・・・。

以前にも書いたが、このタロットカードは蘇りや鎮魂が裏テーマとしてある。
この絵を描くことで、あの夢の中の雪女さんの魂が少しでも安らかに
なりますように・・・(これで約束は果たしましたよ)


彼女はたぶん、気に入ってくれた筈。
その証拠に今日はお日様が昨夜の雪をキラキラと輝かせているもの。


今日の雪景色





絵の著作権は朋百香にございます。
無断掲載、転写は固く禁じます。








タロット・人物カード「火事と喧嘩は江戸の華」

タロット78枚のうち、人物カードは16枚。
トランプのジャック、クィーン、キングのようにそれぞれの
スートに「姫」「彦」「局」「帝」がある(ミケさん命名)

稲穂のスートは「江戸風」をイメージした。
恋しい人に会いたい一心で町に火をつけた八百屋お七。
「稲穂の姫」はお七をモデルに髪振り乱して、裸足で梯子を
登る姿を芳年風に描いた。
お七は実在した人物だが、歴史史料「御当代記」では「お七と
いう娘が放火し処刑された」というだけ。
だから尚の事、たくさんあるお七の物語(歌舞伎、浄瑠璃、落語
日本舞踊、etc)では、いろいろな解釈がなされているのだろう。

私はやはり一途な想いでハタの迷惑も顧みず「恋は盲目」の
お七を描いてみたかった。
人の一途さは愚かさにも通じる、という教訓。

そして方や「稲穂の彦」は火事繋がりではないが、江戸の伊達男、
町火消し。
江戸の火消しは最初、大名や旗本が担ったが、のちに町人の為の
町火消し「いろは四十八組」が組織された。
当時の火消しは水をかけて鎮火するよりも類焼を防ぐ為の破壊消火。
この時に消化の目印となったのが「纏」(まとい)
纏は火事場への先陣争いの目印なので、消し口の争奪で火消し人足同士の
喧嘩が起こることもしばしばだった。(「江戸のダンディズム」河上繁樹
より)

「火事と喧嘩は江戸の華」なんて、江戸という所は物騒なアウトローの
集まりみたいな所だったのだろう。

しかし、アウトローは東洋でも西洋でもカッコイイのだ。
纏を持ち、刺し子の装束を身にまとい、チラッと入れ墨を見せながら
必死の覚悟で火事場に行く町火消しは絶対にカッコイイ。
という訳でこれも一度描いてみたいと思っていた。


人物カード

こうして完成した この2枚は江戸の風情色濃く「あつ〜い」タロットに
なったのではないだろうか。



*絵の著作権は朋百香にございます。
 無断掲載、転写は固く禁じます。




タロット・人物カード

タロット78枚のうち、人物カードは16枚。
トランプのジャック、クィーン、キングの様にそれぞれの
スートに「姫」「彦」「局」「帝」がある。(ミケさん命名)

大アルカナカード22枚が、ほとんど神々のカードで
あるのに対して こちらは人間が主役である。
なので、私は生きている人の姿、一喜一憂する人、
右往左往する人。
神が縦の動きなら 人は横の動きとでも言おうか
そんな人間らしさを描きたいと思った。

最初に描いたのは「剣の姫」と「剣の彦」
「剣の姫」は舞子さんがモデルだ。
ただし、扇ではなく剣を持つ舞子。
これは、友人が「温泉卓球芸者」という大友昇平氏の
イラストを見せてくれた時、パンクな芸者さんが卓球を
する姿に「あ、これっ!」と、インスパイアされたもの。

何かマンネリ化してきたな〜と、思っていた時だったので 
どこかにナンセンスさが欲しかった。
たぶん、この時代にはあり得ない絵柄だろう。
しかし、この絵を見るといろいろと物語が浮かんでくる
のではないだろうか・・・?

「時は幕末、彼女は恋人を新撰組から逃がそうと必死で
刀を取ったのかもしれない・・・。」
妄想は見る人の自由。
いろんな物語を想像してほしい。


タロット、人物カード


「剣の彦」は一目瞭然。
牛若丸と弁慶だ。もちろん、「彦」は牛若丸のこと。
義経の数奇な運命は、ここでは考えず 月夜に弁慶の
長刀をヒラリとかわす若きウシワカの姿を美しく描いて
みたかった。
人の縁の不思議を思いながら。


こんな感じで人物カードはスタートした。
大アルカナの様に、シンボリックな制約がない分、自由に
楽しんで描いている。



*絵の著作権は朋百香にございます。
 無断掲載、転写は固く禁じます。