繋がってる?

友人のブログに載っていた「美しいもの」という本を読みました。
著者は赤木明登さん。輪島塗の塗師です。
本も美しかったけど、文章にも惹かれました。
彼の友人であったり、知人の作家さんとの交流や、その作品が紹介
されています。

美しいもの、本

リュート奏者、テキスタイルデザイナー、木地師、陶芸家、鍛金師、
フードデザイナーだったり、そうそうヨーガンレールさんもでていました。
皆さん、それぞれただ者ではない人達。
創作者の端くれとしては、とても刺激になる本です。

その中に「あれ?」知った名前が・・・山口信博。
なんと私の同級生の旦那さんではないですか。
ご夫婦で青山でデザイン事務所をしています。
私も個展のDMを作ったり、冊子を作る時にお世話になりました。

世の中、狭いですねぇ。赤木さんとは家族ぐるみのお付き合いを
しているそうです。
この本のデザインもしたのだとか、そう言えば山口さんらしい
すっきりと無駄のない美しさだわ。
「美しいもの2」もあるそうで、そちらも気になります。

赤木さんは「茶箱」も作ってらして、私のような劣等生(娘時代にちゃんと
お稽古をしなかった、という意味です)も久々にお茶を点ててみたい、
と思ってしまうような素敵な茶箱がありました。


赤木明登、茶の箱2


あー、これ欲しい!仕事の後、これで一服したらどんなにかほっこりする
だろう、と。
で、メールでお値段を伺ってみたら・・・手が出ないお値段でした。
まずはセットでなく箱だけ先に頂くとか・・・ね。
「茶箱積み立てをします」とお返事して今回は終わりました。
が、諦めませんよ。やります、本当に「茶箱積み立て」

話はこれで終わりではないのです。
先日、山梨の姉に(姉は漆のブローチを作っています)赤木明登さんて
知ってる?と聞いてみたら、もちろん知ってました。なにしろ、ドイツ
国立美術館の「日本の現代塗り物十二人」に選ばれた人ですから。
その世界では有名な人なんですねぇ。
さらにオマケに、以前姉の個展にふらっとみえたそうなんです。

これってもしかしたら、繋がってる?
いつかご縁があって、あの茶箱を手に入れられる日がくるのではないかしら?
と、勝手に妄想しながら茶箱セットの写真をP.Cのデスクトップに張り付け、毎日
眺める私です。





チョコレートドーナッツ

ゲイのカップルと母親に見離されたダウン症の子供のお話、
と言ったら拒否反応を示される方もいるかもしれませんが一言で感想を
言うなら観て良かったです。

人間の優しさ、醜さ、純粋さ、愚かさ・・・すべてが描かれた秀作だと
思います。

1970年代、アメリカ、ブルックリンで実際にあったお話をもとに作られた
トラヴィス・ファイン監督作品。

チョコレートドーナッツの絵

何と言ってもこの作品が「ただ可哀想」な映画だけで終わらないのは
ショーダンサー役のアラン・カミングの演技力と歌唱力だと思います。
彼が歌うボブ・ディランの名曲「I shall be Released」は胸に迫ってきます。
泣けますねぇ。こんなに歌のうまい人だとは知りませんでした。
あの「Xマン2」でブルーマンをやっていた彼からは想像もつきません。

ゲイとかダウン症とか関係ない。人としてどうあるべきか?を
問われた気がしました。


*映画の公開は終わっています。私はDVDを借りて観ました。








Magic in the moonlight

人がマジックに惹かれるのは、仕掛けがあると分かっていても
マジシャンの手際の良さについ目を奪われてしまうから・・・。
霊能者がうさん臭いと分かっていても、もしかしたら、もしかしたら
そんな事があるのかもしれない、というほんの少しの期待に
ワクワクしてしまうから・・・。
結局、人間って夢をみたい生きものなんですね。

美しい南仏リゾートを舞台に繰り広げられる、コリン・ファース扮する
マジシャンとアイリーン・アトキン扮する霊能者の対決。
ウッディー・アレン監督の上質なロマンティックコメディです。

それにしても人が人を好きになるという現象ほど不思議なことは
ありません。
化学反応なのか、神様の成せる業なのか、運命なのか・・・
でも予測不可能だから人生って面白いんですね、きっと。


       magic in moonlight




山眠る

こんな本を買ってみました。


夏井先生の本

辛口俳人で有名な夏井いつき先生の「美しき、季節と日本語」
です。これは、俳句の本ではなく、表現力のお手本がたくさん
載っていて、絵の題名を付ける時などに参考になるかな、と
思ったのです。

でも読んでいるうちに、日本人は四季を大切に、季節の挨拶を大切に
してきた民族だなぁ〜と感じ、そういうものが失われつつあることが
残念に思えてきました。
ああ、そうだ、と思い立って先日お葉書を頂いた方にお返事を書こうと。


絵手紙

こんなものを書いてみました。
夏井先生曰く、季節感はなにも言葉でなくてちょっとした絵でも良い
と書いてあったからです。要はまず自分が季節を感じることが大事と。

そして、季語は自然の中だけとは限らない。人々の服装や町の花壇や
お菓子、ショーウインドウにも溢れていると。

なるほど、今までそんな目で見ていたことはありませんが季節を
感じるのに自然の中に行かなくても、街で「季語」を拾うことはすぐ
出来るのかもしれませんね。
そう思うと、俳句を書かなくても、季語を探すのは楽しいかも・・・。

そしてメールや手紙の中にそんな季語を自分の言葉で表すときっと
もらった人も書いてる自分も豊かな気持ちになれるのかもしれない、
と思いました。

この記事の題名の「山眠る」は冬の季語です。
中国の北宋時代に書かれた「臥遊録」の表現を元に作られているそうで
春は「山笑う」 木の芽が一斉に芽吹く様子から。
夏は「山滴る」 美しさ鮮やかさがあふれんばかり。
秋は「山粧う」 樹々の色ずくさま。
冬は「山眠る」 動物は冬眠し、草木も葉を落として眠ったようだ。
と、山の様子から見事に四季を表していますね。
昔の人の感性は素晴らしいなぁ、と感心しつつ、私も退化した感性を
育てなければ・・・と、思ったのでした。



「美しき季節と日本語」 夏井いつき・著 株式会社ワニブックス








スープの手ほどき

早いものですね、気がつけば もう成人式も終わってました。
こちらは総勢9名(って言うか、生まれたて君はまだ半分か・・・でも
一番手がかかる訳で・・・)
風邪ひきさん、疲労困憊さん、腰痛さん、よりどりみどり(笑)

子供を育てるってこんなに大変だったっけ?
と、遠い昔を思い出してみても、あの頃は無我夢中で(若かったし)
何とかやってきちゃったんですねぇ。

そんな頑張る娘達に送るのは、愛情たっぷりのスープ。
この本、買っといて良かったです。辰巳芳子さんの「スープの手ほどき」
辰巳さんのお料理はどれも手間隙かかるんです。
でも確かに苦労した分、いえそれ以上に人を元気にさせるスープ。
そして、出汁の大切さを痛感しました。
昆布、鰹節、しいたけ、梅干し、煮干し、日本の風土が生み育てた
素晴らしい食品。
日本人に生まれて良かった〜。


スープの手ほどき
「スープの手ほどき」 和の部 辰巳芳子 文芸春秋


では、シンプルな「玄米スープ」の作り方を

材料:炒った無農薬有機栽培玄米・・・カップ2分の1
    天然昆布・・・5センチ角2〜3枚
    梅干し・・・1個
    水・・・カップ5

つくり方 玄米を炒る(時間のない人は市販の炒り玄米を)
    1、玄米は洗って30分ほど水につけ、ざるに上げ、6時間ほどおく。
    2、厚手の平鍋を熱し、玄米を入れる。全開を10とするなら6ほどの
      火力で、米の中心部に熱を通し、米をふくらませるつもりで加熱。
      ピチピチという米のはぜる音を聞くようになったら火力を3に落とす
      木べらで全体を混ぜながら、香ばしく全体が小麦色になるまで
      20分ほど炒る。きつね色では炒りすぎ。

      炒り玄米を煎じる
    3、ほうろうのポットに玄米と昆布、梅干し、水を入れて火にかける。
      最初は中火、煮立ったらふたをずらし、火を落としてふつふつと
      30分ほど炊く。煮出す限界を見極めるため、煎汁と玄米を
      味わう。玄米に味が残っていれば、煮出し方がたりない。
    4、火を止めたら、こし器ですぐにこす。こした煎汁を温めた別器に
      移しすすめる。


日頃、手抜きの早く出来るものばかり作っていると、たまには時間をかけて
作るのも良いものです。
この玄米スープ、元気な人には物足りないかもしれません。
でも、疲れた身体を芯から温めてくれます。
頑張っている自分へも「愛」をあげましょう。
熱々をすすると・・・美味しさが染み入ります。
辰巳先生、ありがとう。


「生きぬかねばならなかった道筋にあるものは、不思議に目立つ
 もの、大げさなもの、美々しいものではない。
 玄米スープもまた、そのもののひとつ。離乳期から臨終にいたる
 まで、私たちを守る煎汁である。」 辰巳芳子