コイ と カラス

仕事の打ち合わせで長平庵にお客様がみえました。
イタリアから帰国したばかりのプロモーターさんとデザイナーの
吉池さんです。せっかく遠方よりお越し頂いたので「墨アート」の
原画も何点か観て頂きました。

葛藤
「葛藤」2017年



2011年の作品ですが、これらが気に入って頂いたので、来年の個展に
出すことになりました。

鯉
「水の記憶」2011年
すみません、私が左端に移りこんでしまいました。


カラス
「歌うカラス」2011年

具象を描いていて、いきなり抽象にはいけないもので、悩んでいた時
画家でありティーチャーであるシド・マリクラーク氏から抽象の中に
1つ具象を描いてごらん。と言われて描いた作品たち。
それがこの「水の記憶」と「歌うカラス」です。
通称「コイ」と「カラス」(笑)
もう1つ小作品の「ウサギ」もあるのですが。
私にとっては、すでに通り過ぎた「トコロ」であり、おそらくここに
戻ることはないでしょう。
でも、今になって「いい」と言われるとは思っていなかったので、ちょっと
驚いています。
これらを発表した時には、何の手応えもなかったですから。

人が絵の中に何を観るかは、その人次第なので、私はただその反応を
楽しむばかりです。


さて、この日のきものは
伊兵衛織り、帯前
約1年ぶりの伊兵衛織りのきものに、帯は渦巻き柄の普段帯。
帯揚げはサーモンピンク、帯締めは蘇芳(すおう)色。

お太鼓
伊兵衛織り、お太鼓


いつの間にか伊兵衛織が着られる季節になったのですね。
このきものは持てば持ち重りがするのですが、着てしまえば
身体に纏わってまた格別な着心地。
今年も早めに着られて良かった。



絵の著作は朋百香にございます。無断転写、掲載は固くお断りいたします。



お知らせ

早いものですね〜、今年もこの季節になりました。
第31回 パリ国際サロン
今回も個展部門に3点出品いたします。

パリ国際さろん、パンフ1
個展部門のパンフレット

パリ国際さろん、2
掲載ページ
右ページ上から「吉兆」、右下「kabuki」、左下「air sword」です。



昨年に続いて今年も仏美術誌 ユベール・デザールの10,11月号に掲載されました。
仏美術誌、掲載


日時:2017年11月17日〜19日

ギャラリー デュ マレ  『Galerie du Marais 』 21,place des Vosges-75003 Paris

エスパス コミンヌ   『 Espace Commines 』 17,rue Commines-75003 Paris

上記の2会場で開催されます。






道しるべ

来年4月の個展にむけての小作品の額装が出来てきました。
なかなか良い出来で気に入っています。
小作品は「自分の部屋に掛けたい絵」を基本にしていますので
飾っていてもうるさくなく、でもふと目をやると静かに何かをうったえている、
ちょっと暫し眺めていたい感じを大切にしています。

道しるべ
「道しるべ」 画材:和紙、墨、アクリル

これは「道しるべ」という作品で、人間生きていると必ず、どちらかを選ばなければ
ならない時が必ずあるもので、右と左では大きく人生が変わってしまうと分かっている時ほど、
迷ってしまいます。そんな時にこんな道しるべが立っていて自分の行くべき
方向を指し示してくれたら、こんなに楽なことはありませんよね。
でも、見てください。道しるべには何も書いてありません。
そう、あなたがどちらを選んでも間違いではないのですよ。とこの「道しるべ」は静かに
語っているのです。
とまあ文字にすると哲学的(?)になってしまいますが、要はぼんやり眺めて頂きたい、
それだけです。(笑)


他にも「夜の帳」
夜の帳


「あけぼの」
あけぼの

などが額装済みです。
今回の個展では小作品をメインにしたいので、間に合う限り期限ギリギリまで
描くつもりです。
大きい作品にテーマが無い訳ではないのですが、小さい作品の方がテーマも
技術的にもより繊細さが求められるので、描く側としてはより内省する感じで
しょうか。でもそれは新鮮で面白い感覚です。


絵の著作は朋百香にございます。無断転写、掲載は固くお断りいたします。



イタリア美術賞展

少し前のことですが、7月末にイタリア美術賞展が無事終了しました。
(会期:2017年6月29日〜7月30日、イタリア、ファヴァーラ市で開催)

イタリア美術賞展1

今回こちらには、昨年夏に日仏展(国立新美術館)に出展した「沈黙」を
出品しました。

イタリア、カタログ

カタログの中
左ページ、右下の作品 NEPU代表作家として出品した「沈黙」

そしてもう1点「兆し」を推薦されて出品したのですが、何とこれが大賞を頂きました。


大賞作品、兆し

私のような墨の抽象画で大賞が頂けるとは思っていなかったので、本当に
驚きました。

海外出品は、もうそろそろやめようか・・・と考えていた矢先、まだ
続けなさいということでしょうか。
それにしても何で私が?と他の受賞者の作品を拝見しながら思ったのですが
ある方に「絵というのは描いた人のエネルギーが込められている」と
言われ、ああそうかと思い至りました。
絵には目で見たその絵の色彩、構図だけでなく目には見えない何かが
描かれているのです。
私の場合はむしろそちらの方が大きいかもしれません。
そして「墨の力」外国の方はそこに、日本の神秘とか魂のようなものを
感じるのかもしれません。
実は墨の凄さを一番感じているのは私自身でして、描けば描く程嵌っていく
ようです。

何の為に描くのか、何を込めて描くのか、これまで以上に重要な意味を
持つことになるのでしょう。
ただそこに一貫してあるのは「解放」、解き放つということです。
私は自分自身を解き放つ為に絵を描いてきたのだと気付きました。
そして見てくださる方にもそれが伝わって共感してもらえたら、こんなに
嬉しいことはありません。

賞を頂くことは本当に嬉しいし励みになりますが、これに一喜一憂する
ことなく、また和紙に向かって新たな気持ちで一歩を踏み出すことに
いたしましょう。

選んでくださったイタリアの皆様、いつも応援してくださる皆様に心から
感謝致します。


第18回 日本・フランス現代美術世界展

国立新美術館

8月9日から始まりました日・仏展、なんと初日は37度の今夏最高気温。
フランスやスペインからみえている関係者の皆様には、何ともお気の毒
なことです。
私も昨年は頑張ってきものを着たのですが、この暑さで今年は断念しました。

この日は、昨年1年間の日本やフランスでの展覧会での日本人作家の表彰式が
あり、私も出席いたしました。

表彰会場
表彰式会場

やはり、着物姿の作家さんもチラホラ。
壇上に上がった時は、ああやっぱりきもので来れば良かった、とちょっと後悔。

目録
表彰状と目録

昨年「沈黙」という作品でNEPU賞(新エコールドパリ浮世・絵賞)を頂きまして
今年の表彰式への参加となった訳です。

NEPU賞の副賞は2017年度NEPU代表作家として1年間の国内外での広報。
(第48回イタリア美術賞展への作品招待。今展への作品招待など)
欧州美術クラブホームページにて作家インタビュー、作品紹介など。

皆様から「素敵ね」「凄いわね」「応援してます」と暖かいお言葉を頂き
嬉しい限りなのですが、私自身としては(作家は皆、同じかもしれませんが)
常に「んー、こんなんじゃない」「もっといい絵が(自分が納得のいく)が
描ける筈だ」と心の中に靄が広がり、会場に行く度に展示してある作品を
下ろしたくなる衝動にかられます。
じゃあ何で出展するの?と、言われそうですが、描き上げたときは「うん、
いいかもしれない」と思ってしまうのです。(笑)
その繰り返し。昨日よりも今日、今日より明日は少しは進化したい。
人の心に残る作品を(いや自分の心にかな)描きたいという思いに日々、
産みの苦しみと戦っているのであります。
きっと描き続けている限り、この気持ちは変わらないんだろうなぁ・・・。

ともあれ1年に1度の日本での祭典ですから、ありがたく賞を頂き、
1年ぶりにお目にかかる旧知の作家さんたちと交流しました。
また1年間、頑張りましょう。

お暑い中を会場に足を運んでくださいました皆様、またこれから行こうかしら
とお考えの皆様にも心から御礼申し上げます。
お暑いのでお気をつけて(でも、中は冷え冷えです)

場所:六本木、国立新美術館 3A展示室、入場無料
   会期は20日(日)まで(15日は(火)休館日)です。